「ロンドン・アイの謎」。
シヴォーン・ダウド著
子供向けミステリー?
何となく雰囲気的にお子様向けミステリー?
なんて思って読み始めたけど、全然違う。
主人公が子供たちってだけの話。とても面白い。
ロンドン暮らしのテッドたちのところにおばさんが従兄弟のサリムをつれてやってくる。
おばさんは、離婚してサリムと二人暮らし、転機を求めてニューヨークに行く途中で立ち寄ったのだ。
どうもサリムはニューヨークに行きたくない?
テッドと姉カットはサリムをロンドン見物に? どこに行く?
なぜかサリムはロンドン・アイに行きたいという。大観覧車だ。これに乗れば、ロンドンの街が一望できる。ニューヨークに行く前に見ておきたい?
で、子供たち3人でロンドン・アイへ。大盛況、行列に並んで待ってると、変なやつが近づいてきた。ちょうど余ったチケットがあるんで1枚あげようという。
怪しいけど、騙されてるわけでもなさそう。これだと1人先に乗れる。ならば、サリムだけ乗れば良い。
他人をかきわけてどんどん前に出る。チケットの時間に間に合った。サリムが乗り込む、二人は手を振って見送る。さて、しばらくしたら戻ってくる。出迎えよう。
「おやっ!」、いない。出てくる人の中にはいない。観覧車の中は空っぽになって、次の人たちが乗って行く。いったいどこに行った?
それからは大騒ぎ。
一人でどっかへ行ってしまった? 事故に巻き込まれた? 誘拐された?
とうとう警察が来る。 両親もおばさんもパニックだ。
手がかりは全く無い。
テッドは、論理的な思考が大好きだ。いまは、気象学に凝ってる。今回の謎も、なんだか気になる。よく考えてみよう。たぶん大人たちは当てにならない。カットと二人で解決しなければならないだろう。
まずは、冷静によく考えて、何が起きたか、可能性のリストを作ってみよう。
8項目のリストが出来上がった。順番に検証して行こう。
その他には現場にも行かないといけない。
電車に乗る? 路線は? お金は?
そして、少しずつわかってきたことがある?
ものごとを一面からだけ見たらいけない。どっちからみるか? どうみるか?
彼の推理は、ロンドン警視庁の警部さんにも通じたようだ。
果たして、こどもたちだけで先に進めるのか? 危険はないのか?
サリムの携帯の謎? チケットの謎?
遊園地で何があった? バイクのフェスティバルで何があった?
チェックリストが一つずつ消えて行く。サリムに協力者が?
核心に迫ったか? 発想の転換が必要。
とても面白い。
わしの勝手なおすすめ度。
星4つ。
「持ち歩き 和歌山弁」。
マエオカテツヤ著
和歌山弁って。
よう考えたら、わしは、和歌山で生まれて和歌山で育っている。高校生までは和歌山にいた。
そのあと、大学、就職とずっと県外にでて、なんとなく大阪弁的な喋り方を続けてきた。
大阪暮らしがとても長かったということが主たる要因ではあるけど、こころのどこかで、和歌山弁は田舎臭い、カッコ悪いという意識がどこかにあったことは否めない。
そやけど、歳とって、和歌山暮らしに舞い戻って、思う。
土地の言葉ってなかなかええやないか。
冬の寒い朝、えらいひゃこいけど、ごうせにしとるなあ。
(大変寒いけど、いっしょうけんめいなんかしてますなあ)
わしらのこどもんぢゅうはもっとさぶかったなあ。
(わしらのこどもの頃は、もっと寒かったなあ)
まくれんよう、きいつけや。
(こけんように、きいつけなはれ)
えらいやつして、どこいくの?(えらい、おめかししてどこへいくの?)
ちょっとかし、買い物に(ちょっと買い物に)
よその土地の人にはわけわからんやろけど、わしらにはとても懐かしい。
和歌山弁ってええやんかって思ったりする。
もちろん、和歌山弁って言うても、地域によってかなりの違いがある。
北の方、南の方、海の近く、山の近く、それぞれ、微妙であったり、大幅であったり、同じ事でも言い方がちがってて面白い。
も一回、和歌山弁を勉強しようとこの本を読んでみた。
とても面白い。
わしの勝手なおすすめ度。
星4つ。