録音は1956年1月30日とある。今から50年以上前だ。
そのころは、ジャズがいろいろな方向に形作られていく、そういう黎明の時代だったの
かもしれない。次々と新しいスタイルが模索され、生まれて行った時代だったように
思える。
そういう創造の喜びというのか、雄たけびというのか、瑞々しい力が漲っているような
感じがする。
その名も「直立猿人」
第1楽章 進化
第2楽章 優越感
第3楽章 衰退
第4楽章 滅亡
それなりの規則があるようで、実はフリーだ。
しかしフリーのようで整合がある。
いろんな楽器が適当に唸っているようでいて、それでも壊れてしまわない。
ミンガスのベースが力強く魂に響いてくるかのようだ。
ジャズの世界でこういう熱い時代というのはもうなくなってしまったのだろうか?
新しいジャズの世界を一度さぐってみないといけないなあ。
このレコード、どの曲も出来が良い。
元気をもらえる曲達だ。
1. 直立猿人
2. 霧深き日
3. ジャッキーの肖像
4. ラヴ・チャント
あんまり昔はよかったって言葉を使いたくないが、ジャズの世界は絶対、昔が
よかった。
毎週木曜は、映画、音楽、書画に関する話です。