最近読んだ本、「馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ」、「味を訪ねて」。

  • 2022年8月17日
  • 25人

辻真先、「馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ」。

「たかが殺人じゃないか」に引き続いて読んでしまった。
ミステリーとしてはめっちゃ物足らんけど、話としてはめっちゃ面白い。
舞台は昭和36年。
わしが中学生くらいの頃やろか? それだけでめっちゃ懐かしい。
確かに世の中は映画からテレビに移り変わり始める前夜の頃か?
この本にでてくる、テレビの番組は見たものもあり、見てないものもあるけど
いろいろ話題になったんで覚えているものが多い。
このあたりに時代のテレビ番組をググってみたら、
夢で会いましょう
シャボン玉ホリデー
7人の刑事
スチャラカ社員
てなもんや三度笠
シャープさんフラットさん
ベン・ケーシー
・・・
覚えているやら、いないやら・・・、夢かうつつか、まぼろしか・・・

もう少しした頃、わしは、浪人生活をするために和歌山から大阪に出てきた。
田舎ののどかな生活から、いきなり、大都会の真っ只中。
真面目な少年はただ、オロオロと戸惑うばかり。ビックリシャックリの日々だった。
学校をさぼる? そんなことできるんか?
パチンコやら居酒屋、映画館、そんなことですらカルチャーショックを受けてた
くらいかやらカワイイもんだった。
そんなある日、予備校に登校しようと歩いてたら、向こうからすでにサボって出てきた
友人にあった。「今からええとこ連れてったるわ」て、連れて行かれたんが、
ABCホール。その何階かで「てなもんや三度笠」の公開録画をやってるから見に行こうと
いう話だ。学校なんか行かんでええやんかといとも簡単に方向転換。
さぼるということもさることながら、都会ではこんなこともあるんやともっと驚いた。
舞台は大迫力、目の前で走り回る俳優さんたち、すごいもんだ。
田舎で真面目な受験勉強のかたわらチラチラみてたテレビ画面の世界とは大違い。
とても迫力がある。なまなましい。
横にいるADかなんかのお兄さんが手を回したら、皆で拍手する。
すごいなあ。田舎から出てきた少年は、ただただ驚いた。

事件は、ミュージカル仕立てのドラマの本番スタジオ撮影中に起こった。
これから、クライマックスの大場面が始まろうとしたちょうどその時、なんと主役の
女優がいないではないか。どうする?
2人1役の、渾身の大場面、急遽相手役の女優が1人2役で凌ぎ切る。
なんとかできた。会心のクライマックス。
と思いきや、その女優の死体が発見された。
舞台は一気に事件現場だ。しかもそこは全くの密室状態としか言いようがない。
さて、この事件を解決するのは誰か?
警察か?
ミステリー作家の風早勝利か?
前にも出てきたもと看板描きか?
謎は謎を呼び、事態は複雑になるばかり?
果たして、どうなるやら?
とても、分かりやすい。

撮影現場の緊張、ワクワクがとても面白い。

吉村昭、「味を訪ねて」。

めっちゃ古臭い、食べ歩きエッセイ。
しかしながら、とても懐かしい。とても心惹かれる。
この人、わしが好きな作家だ。とても厳密に、現場を調査し、聞き取りや
資料の精査を欠かさずに著書を編み上げるという作風の方であったらしい。
作品のなかにそれが滲み出てるような気がして、いつも好感を持ちながら
拝読してる。
なので、とても実直、真面目そうな人柄を想像してたけど、この本の間からは
そうではありながらも、ちょっと違った一面も垣間見えて、とても良い感じだ。
時にはドヤ顔をしたり、時には酔っ払い、ご機嫌おじさんになったりしそう。
取材旅行でのネタが多いんで、読んだ本と重なるととても嬉しい。

ペテン
タラバ蟹の記憶
梅干しにカツオ
味覚極楽
苦しい時の鮨だのみ
カステラの手づくり三百五十年の味
長崎半島でフグとカマボコ
舌の味
宇和島の不思議なうどん屋
美しき村に家族と遊ぶ
千鳥足の教訓
札幌の夜
焼酎のこと
増量作戦
市場で朝食を
洋食屋らしい洋食屋
沖縄のビフテキ
苦手の店
燈台もと暗し
私と浅草
取り寄せ物
午前様から更生
ホテルと旅館
食べる?
思い出の一杯
上野・根岸・浅草
日本酒は、酒の要
年越しそば
食物の随筆について
鯊(はぜ)釣り
結婚式と披露宴
湯沢の町の準十便
そばという食べ物
日本酒は花盛り

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ありがとうございました。