小泉武夫、「くさいものにフタをしない」
はるか昔、八丈島に旅行して、トビウオのクサヤとムロアジのクサヤを
買って帰ったことがあります。
焼いたとたんに部屋中にうんこの匂いがたちこめてしばらく消えませんでした。
それでも、とてもおいしかった事を覚えています。
最初に中国の深センに行った時、道端でえげつない匂いがするので、
「いったい何や!」と思ったら、臭豆腐の匂いでした。これも食べると
なかなかおいしいのです。
その後、蘇州にいったらやっぱりこれがあって、今度はおいしい匂い
とさえ思ってしまったのです。
韓国直送のキムチも部屋中匂いますしね。
やはり味は匂いと共にあります。
心地よくおいしい匂いもあるし、強烈で異臭だけど、なれるとこれも
格別だという匂いもあります。
こういう事を匂いの成分や考え方で教えてくれていて、非常に興味深い
本です。
改めて匂いの大事さを考えました。
でも、加齢臭には気をつけなくては。
山下清、「ヨーロッパぶらりぶらり」
「放浪の画家」といわれるように、本当にこの人は放浪が好きなんですね。
というより、つい放浪してしまうんですね。
そういう人が、言葉の通じないヨーロッパだから、気儘に放浪してしまう
わけにもいかないで、我慢しながら旅をする。
それでも、独特の考え方でわがまましてしまう。
とても愉快な旅日記です。
この人も、あの貼り絵はもちろん、スケッチもその場その場でやるのでは
なくて、後で思い出しながら印象を書いていくようです。
頭に焼き付けるという事が大事なんですね。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。