ローレンス・ダレル、「ジュスティーヌ」
もう何十年も前にこの本を読んだ事がある。アレキサンドリア4重奏という副題があって、
4部作になっている。長編だ。しかも難解な本だった。
当時は外国に行った事がない。ましてアラブ世界など見た事も聞いたこともなかった。
しかし、年を経て、それなりに旅をして少しは外の世界を知ることができたし、
深い洞察はないにしても過ぎ越し方を遠い目で眺める分別もできてきたかもしれない。
そして、ソール・ベローの大地中海紀行を読んでいたら、ローレンス・ダレルと
アレクサンドリアの話がでてきた。
懐かしくなってこの本を開いた。
エキサイティングな街とか、デンジャラスな街とかいっそ魔都とか、特別な思い入れで
呼ばれる街は多い。上海とか、香港、シンガポール、バンコク、コルコタなんかがそうなん
かなあ。カイロには行った事があるが、アレキサンドリアには行っていない。
多分独特の雰囲気があるのだろう。不毛の砂漠の側、昔栄えた港町。
繁栄の名残と退廃と怠惰がある。規律の裏に混沌がある。そんなところかもしれない。
独特の香料の香りが匂ってきそうだ。
浅黒い肌の美女、ジュスティーヌ。ひたすら破滅に向かう女。
誠実な女メリッサ。
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彼は哀願するように小さな手を僕にむけて組んで見せる。
「凶報をもたらす者をとがめるな」というしるしだ。
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アラブの世界も興味があるなあ。怖そうやけど。
小野田大蔵、「現代仙道百科」
風水というものがある。気功とかいうものもある。
天地には気というものがあって、その気というものをうまく体内に取り入れたり
生活の流れをつくるのに用いると不思議な力が自分のものになるということだ。
気をとりいれ、気を貯め、自由自在にコントロールできるようになるには
仙人の術を学んで、修行をして極めないといけない。
山にこもって霞をすい、虫を食べ、仙薬を練って暮さねばならない。
そういう妖しげな秘法を書いた本だと思っていたら、
気を吸い、気を貯め、気を練る方法を科学的に解説した本だった。
それはそれでなかなか面白い。
具体的で説得力もある。
やはり気になるのは他の人から気をもらい、自分の体内に蓄えると言う都合の
良い方法だ。しっかり学んで身につけよう。
ぎっくり腰もなおればいいけどね。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。