ヨルン・リーエル・ホルスト、「警部 ヴィスティング 鍵穴」。
わしのとっては初めてのノルウェーの推理小説。
どんな街が描かれてるか、どんな暮らしが立ち上がるのかとても楽しみだ。
週末にバーナール・クラウセンが亡くなった。心臓発作らしい。
引退した元国会議員、複数の労働党政権で閣僚を経験した人物。大物だ。
死因に不審な点はなさそうだ。しかし、なぜか、ヴェスティングが検事総長に呼ばれた。
彼の別荘から巨額の金が入った段ボールが発見された。ユーロと米ドルで8千万クローネほどになる。
この金は何だ? 汚職? 政治がらみ? 彼の経歴からは考えられない。
ヴィスティングは検事総長の指示で特別操作チームをスタートさせる。
早速別荘に向かい、調べたあと、秘密の捜査本部に設定した自宅に金を移動させる。
その直後、突然の火事で別荘が焼け落ちた。何故?
クラウセンの家族と暮らしの痕跡を追う。
妻も息子も亡くなっている。
妻の病気は特別な治療が必要な難病だったらしい。政府の要人として優遇治療を受けるのを
よしとしなかったのか? その事に息子が反発? 荒んだ暮らし?
息子の身辺を洗おう。
何故別荘が焼かれた? 別荘で何があった? 個人の遺志が?
ノルウェーの街、ノルウェーの森、ノルウェーの湖・・・
とても良い。
不審な大金を探る。空港で強奪事件があった。当時のレートで比較するとほぼ金額が一致。
もしかしたら?
この頃、何があった?
犯人は複数? 見つけることができるのか? 彼らも金を手にしていない。
そして、別の殺人事件が洗い出された? 事故か殺人か?
謎は深まるばかり。
ジャーナリストだったヴィスティングの娘が合流。
迷宮入り事件担当者が合流。
少しずつ、おいかけていく。
少しずつ、わかってくる。
接触してくるものたち。
果たして、真相が見つかるのか? 真犯人は? 金は何故?
なかなか、鍵と鍵穴が合わない。
::: 表紙見返し文
動機はあまりに切なかった。
人間の本質を見つめる小説。
どんな人間でも過ちを犯す可能性がある。
事件の捜査も目的は、犯人探しだけではなく、その人物が罪を犯さなければ
ならなかった理由を理解することにある。
:::
どんどんと意外な展開が開てくる。
新しい事実がわかってくる。
さて、解明の時はくるのか?
鍵と鍵穴は合うのか。
とても面白い。
佐
々木譲、「帝国の弔砲」。
表紙を見たら、なんやら古臭さそうな話なやあ。
おもろないんとちゃうやろか?
パラパラって見たら、今、世界中の人が注目してるウクライナのあたりも
舞台として登場してる。これはなんやら興味深そうではないか。
ロシア革命が起きた頃の話だ。
ロシアの沿海州に入植した日本人開拓団の人たちは厳しい環境で苦労してる。
登志矢はその一員の次男として生まれた。
そして日本とロシアの政情の変化により、日本人たちは収容所に送られる。
帰化していてもだ。
苦しい暮らしの中、鉄道少年工科学校に進み、鉄道技師となって機関車整備工場で働く。
そして徴兵。
運命がどんどん変わっていく。
兵となって、西部戦線に送られる。
行き着いた先は、ウクライナのブナーダ。
いよいよ舞台は今、誰もが関心をもってるあたりだ。とても興味深い。
オーストリア・ハンガリー帝国の大公も出てくる。
その戦いの最中に、皇帝が退位するのか?
革命が起きるのか?
臨時政府が? 終わるはずの戦争が終わらない?
また東に?
さて彼らの運命はどうなる?
とても面白い。
ウクライナだけでなくて、ヨーロッパといまのややこしい彼の国や日本とその彼の国、いろんな
しがらみやら因縁やら、背負ってきたものやら、これからどうなんねん?
ということも含めていろいろ考えさせれるものでもあった。
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ありがとうございました。