最近夢中で読んだ本、グレアム・グリ- ン、湯川秀樹

  • 2007年1月9日
  • 1人
NO IMAGE

グレアム・グリーン 「事件の核心」
 20世紀最高の恋愛小説と帯に書いてあります。その通りかどうかは意見の分かれるところだと思いますが、強いインパクトを受ける作品であることは間違いないです。
自分の恥多き人生を振り返って、考えるところが沢山ありました。

舞台は、多分、インド、ムンバイのあたりではないかと想像します。恋愛に関わる小説ですが、甘い恋の話は一切ありません。
愛していると言ってしまった責任、幸せにすると言ってしまった責任を、自分の生き様でどうとるのか、そういう愛してないというしかない愛を暮らしながら、またまた、同じところにはまりこんでいく、どうしようもなさ。
スコービーの生き方はこの年になるとよくわかります。

湯川秀樹 「旅人」
最近は、「国家の品格」とかがベストセラーになって、数学者である著者が有名人になっています。それに伴って、同じ数学者の岡潔が書いた「春宵十話」なども一時話題になって、私も読み直してたりしました。
それで、更に思い出したのが、湯川秀樹です。
前述の数学者達ほどは文章の個性がそれ程強くなく読み易いということと、少年時代に漢籍の素読をみっちりやっているので、文章にリズムと力があります。
彼の物理学者としての道のりを淡々と綴った文章ですが、私には、非常に好感が持てるものでした。

hon070109

***