最近読んだ本、「恋するアダム」、「ホテル」。

  • 2021年10月30日
  • 3人

イアン・マキューアン、「恋するアダム」。

前にカズオ・イシグロの「クララとお日さま」を読んだ。アンドロイドの心の悩み、
心の痛みなどを描いた哀しい物語であったけど、これまた巨匠のアンドロイドの
心の闇の世界だ。
チャーリーは独身ではあるけど、上階に住むミランダと半同棲的な暮らしをしてる。
ある時、少なからぬ遺産が入って最新型のアンドロイドを購入した。
アンドロイドのアダムと3人の暮らしが始まる。
最新型のAIを備えたアダムの能力はすばらしい。瞬時に最適解を出してくれる。
とても頼りになるが、心の中はわからない。
どこまで信用できるのか?
少なくとも、チャーリーの盲目的な従僕ではなさそうだ。
あろうことかミランダに恋をしたのではなかろうか?
それでもアダムはとても役に立つ。チャーリーがチビチビと投資で暮らしてるのを
助けようとする。あっという間に大金が・・・
そしてミランダの秘密にも迫ってくる。コリンジとの対決は?
アダムは誰の味方なのか?
チャーリーは苛立つ。アダムを支配するには壊すしかないのか?
アダムの理性とは? アダムは自己崩壊しないのか?
アダムは悩むのか?
アダムは電源スイッチを無効にして自己を護るのか?
そして、チャーリーはコンピュータの巨匠に出会う。そしてアンドロイドの秘密を
聞かされる。
アンドロイドはどういう一生をたどるのか?
彼らの一生とは?
とても面白い。
我らの時代に、我らの世界に隣人としての、同居人としてのアンドロイドは
現れるのか?
とても面白い。
アダムは一体どうなるのか?
アンドロイドって自殺する?
とても面白い。

エリザベス・ボウエン、「ホテル」。

一行たりとも読み飛ばせない。
丁寧に文章を追っていく読者だけが、ボウエンがそこここに仕掛けている小説の
技巧に舌を巻き、物語全体の絵柄が浮かび上がってきた時の喜びを得ることができるのだ。
帯にはこんな風に書かれてるけど、わしはこんな読み方はようせん。
ほどほどに飛びながら読んでしまうけど、とても面白い。
時期は第一次大戦の後。
場所はイタリア、リヴィエラ。風光明媚なリゾート地だ。
そこに集う、イギリス人?たちの人間模様。
立ち居振る舞い、微妙な駆け引き。
女と女。男と女。男と男。
人々が物語の中から立ち上がってくる。
とても面白い。
ミス・シドニー・ウォレンは医者になる勉強中。
未亡人ミセス・カーは息子ロナルドがここに来るのを待っている。
ロレンス3姉妹にミス・フィッツジェラルドとミス・ピム。
テニスコートでテニスをするか、近くを散歩するかの日々。
ミセスとミス・ピンカートン両閣下2階のバルコニー付きの部屋を占領している。
しかし、専用バスルームがついたスウィートはないバスルームはあくまでも
兼用だ。そこにミルトン牧師がやってきた。さっそくバスルームを探す。
2階に行けばあるではないか?
そして、大騒ぎ。
ロナルドも登場。
ある日、ミルトン牧師がミス・シドニーにプロポーズ。
おもわずイエスと言ったが・・・・
倦怠と憂鬱。戦争の後遺症。
お上品な人たちの意地悪。
恋心と心の揺れ。
とても面白い。

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