蒲松齢作、立間祥介編訳、「聊斎志異(上)、(下)」
中国屈指の怪奇物語りの一つだ。
ある男がいた。その友達が占い事を良くすると言う。
その男は言う。「お前は、役所で偉くはなれんが、きっと大金持ちになるだろう」
その時はそれで終わった。
或る時、その男が訪ねてきた。「旅の男が来るから手厚くもてなせ」
馬を無くして困っている兵隊が来た。男は軽く見て適当にあしらおうとした。
が、友人にいさめられ馬を与えた。
或る時、旅に出た。その地方は盗賊が跋扈していて帰れない。それで3年経った。
そろそろと思い帰途についた。ところが盗賊に捕まった。同行した人は有り金残らず
巻き上げられたが、男には、盗賊の頭の娘を嫁にしろと言うのだ。
仕方なく承知した。嫁と一緒に帰ろうとしたら官憲につかまり、盗賊は殺された。
絶体絶命の時、前に助けて兵士が副将軍で現れて男を救った。嫁は予言通り、金を
増やす福の神となり、男は金持ちになった。
或る男がいた。
ふと出会った女は、この世のものとは思えない程の絶世の美女だった。なんとか妻にしようと
あの手この手、手を尽くしてやっと晴れてわがものに。しかし、なんかおかしい。
もしかたら物の怪では?・・・・
女はやっぱり狐だった。・・・・・
ある男がいた。美しい女を妻にした。人もうらやむほど中睦まじく暮らした。
しかし、或る時病を得て妻が死んだ。
男は絶望のあまり食べるものも食べられない。
その時、不思議な老人がやってきた。どうやら仙術を使うようだ。
老人に頼むと、3日後に墓をあばくと、女が生き返るという。
言ったとおり生き返った。
霊界とこの世はつながっている。死んだ男と女も宿縁次第、冥界の王の胸三寸で
生き様が変ってしまう。
動物の人に化ける魔性の世界も又、人の世と共にある。
それで、妖しく暗く、おどろおどろしいかというと、あまりそうではなくて、何か屈託の
ないあっけらかんとした世界がある。
しかも、複雑な展開や伏線に富んだ物語りがこのあとどんなふうになっていくのかと
ワクワクしながら読んでたら、実にあっさり終わってしまったり、始まったと思ったら
1、2ページで終わってしまったりする文もあって、そういうはぐらかしも又面白い。
楽しい本だ。
次々でてくる新しい地名から中国の土地柄を思い浮かべながら読むとなお楽しい。
文学の旅だ。
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ありがとうございました。