最近読んだ本、「クララとお日さま」、「『細雪』とその時代」。

  • 2021年8月13日
  • 2人

カズオ・イシグロ、「クララとお日さま」。

カズオ・イシグロの作品はどれも良い。読んでる途中も読み終わっても心の
深いところが揺さぶられてる気がする。
これもそういう物語であった。
クララはローザと一緒にショーウィンドウに飾られている? ん?
クララって人間ではない?
どうもロボットらしい。
そこで、お客が買いに来るのを待っている。高性能のAIロボットなのか?
そしてどうやらある日、クララに関心を持った人がいたらしい。
きっともう一度あの少女が来る?
そしてクララを連れて行ってくれる?
しかし、なかなか彼女は来ない。その間に、他の人に買われてしまったら
どうしよう。ロボットに選ぶ権利などない。
待ってるだけの日々、クララはある奇跡を目撃した。
お日様がある物乞いの人と犬にに特別の栄養を贈るのをみたのだ。
そう信じたのだ。お日様にはあんな力があるのだ。
そして、とうとう、ジョジーの家に行って一緒に暮らすことになったクララ。
母とお手伝いさんとの3人暮らし。AFは人間とどんな暮らしをするのか?
どんな役に立つのか?
クララの心に何が育つのか?
ジョジーとリック、幼馴染の恋人? しかし、リックには試練が・・
ジョジーは何故肖像画を描かれなけらばいけなのか?
クララが背負っている闇はなになのか?
パパとママはそれをどうするのか?
向上措置を拒んだリックの運命はどうなるのか?
格差社会で生き延びる道はあるのか?
ジョジーはますます具合が悪くなっていくのか?
あの禍をまきちらすクーティングス・マシーンを壊してお日さまから特別の力をもらうのだ。
クララはお日様の力を信じてる。
とても哀しい。
クララ頑張れ。
わしらもこんな未来社会に生きることになるんやろか?
もしかしたらAIロボットに人間の心がもてあそばれる時が来るのか?
AIロボットに心はあるのか?
心とは何か?

川本三郎、「『細雪』とその時代」。

読んでから気がついた。この作家の名前になんとなく記憶がある。
だいぶ前に読んだ「台湾、ローカル線、そして荷風」の作者だった。
その時は鉄ちゃん的な、旅好き的な、台湾好きてきな作家の本を読むぞという
気分であったけど、何となくただの鉄ちゃんではない様子であって、逆にそれが
違和感でもあったんやけど、ネットで経歴を見たら、すごいものだ。
わしの好きな世界とはかけはなれたとこで活躍してはったようであった。
それはどうでもいいけど、この本はとても面白い。
谷崎潤一郎の「細雪」は好きな本で、読み返したこともある。谷崎の作品自体が
好きなので単行本も読んだけど、全集も買ってある。
読んでるときにはあんまり深く考えてなかったけど、こういう具合に解説されてみると
なるほど、あの時、あの人たちの言ったこと、やったこと、起きたできごと、その
背景はどうなのか? 世の中だどうだったのか?
いろんな事が目の前に立ち上がってくるようではないか。
モデルは誰か、本当はどんな人? なるほどなるほど、よくわかる。
大阪が、東京より元気だった時代が終わりつつある頃やろか?
船場の旧家の暮らし向きも激変しつつある。
谷崎の描写と企み、とてもよくわかる。
筆の力ってすごいなあ。
「細雪」を又読み直したくなった。

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ありがとうございました。