妄想居酒屋、「小料理店○○○」の想い出。007、知ったかぶりして恥をかいた話。

知ったかぶりして恥をかいた話。

この店に行くと、時々というか、しばしば個性的なお客さんがいてはる。
大体そういう人はその場を仕切ってはる。
この日は店に入るとえらい盛況というか、盛り上がってた。
席がなかったら帰ろうって気分は引き気味。
残念ながら一番奥の席がかろうじて空いている。そこにこっそり落ち着く。
わしの隣の席が震源地みたい。しかたない。
どこにも存在感がえらい強い人っているもんだ。
座ってるだけで、周りの人を魅了してしまうような人なんやろか?
ほんまにそんな人いるんやろか?
どうやらミュージシャンみたい。
直接会話はしてないけど、ガンガン耳に入ってくる。
どうやら演劇もやってるらしい。アングラ演劇みたいなやつ?
その頃流行ってた。
わしは、女将に勧められた、いつもそうなんやけど、お酒を飲む。この日は、
土佐の「船中八策」というやつだ。キレのよい辛口。スキッとした飲み口で
とても美味しい。この時初めてしったけど、以来、この酒のファンになった。
アテは、鯛の子の炊いたやつ。ワカメの酢の物。
酒が進む。
となりの方は絶好調。わしより若干年上、爺さんともいえるはずなのに、相当な
オーラを放ってるらしく、その向こう隣に座ってる若い女性とは連れではなく、
ここで知り合ったという雰囲気では有るけど、えらい盛り上がってて、
女性の瞳はハート目になってはる。
すごいもんだ。

わしは、隅でちびちびやっている。
そのうち、向こうで盛り上がったまま、こっちに向かって話しかけられた。
ロックの話だ。
ロックなんかわからんやろって感じ。
確かにわからん。
しかし、まんざら嫌いでもない。
「わしも、ロックは好きや」というて見る。
その方はロックをやってるらしい。「どんな?」
そう言われてもすぐには出て来いへん。頭の中に浮かんでるのに、言葉と結びつかへん、
爺さんの痴呆の始まりだ。
ついあわてて、「ジミ・ヘンドリックス」なんかって言ってしまった。頭に浮かんだんとは
違うけど、嫌いではない。
「ほんまかいな?」、見栄はってると明らかに思われた。
「ほんなら、曲の名前言うてみい」、「一曲でええから言うてみい」
なんやら絡んでくる。
わしもムッとしたけど、その場では曲名が出て来いへん。悔しい。
3日ほど経った有る夜、寝る前にふと思い出した。そんなもんだ。
わしだけ白けたけど、彼らは盛り上がってる。
しばらくしたら、そのままお持ち帰りしてしまいはった。
すごいなあ、たいした迫力だ。
何処へ行ったやら?

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