九度山暮らしのある日、日本酒しぼりたて、とは、どんほど旨い?
新酒の季節っていつなんやろ、秋に仕込んで冬にできる? 知らんけど。
まあ、ともかく、2月、3月頃とちゃうやろか?
もうかなり前になるけど、田舎の国道を走ってたら、「しぼりたて」予約中みたいな
看板があった。
これは見逃すことはできへんなあ、なんてことで、さっそく、車を止めて予約して
しまった。その日が来るのが楽しみだ。
その日はそのうちやってくる。
勇んで買いに行く。限定蔵出し「たれくち」とか書いてある。
いかにも美味そうだ。5合瓶で予約してたけど、あんまり美味そうなんで1升瓶に
変更してもらった。飲んでるうちにも発酵が進んでどんどん味が変わりますよって
おっしゃる。
とても楽しみだ。
で、早速飲み始めた。
たしかに熟成途上の味わいだ。
わしにとっては甘さが先に立つ。上品で軽やかではあるけど、ちょっとベタつき加減の
後口が苦手かもしれん。
確かに日が経つと、というても、じっくり置いて飲むような酒ではないんで1日、2日の
ことやけど、味が少しずつ変わっていく。
それでも、甘さが抜けるわけではないんでちょっと好みではなかったんかもしれん。
しぼりたてって、どれもこんなモンなんやろか?
楽しみにしてただけにちょっとがっかりやなあ。
さっさと飲んでしまおう。
それで又、別の日、海南に行ったとき、たまたま名手酒造店の前を通りかかった。
ここの「黒牛」はわしの大好きな酒なんで、時々買っている。
その「しぼりたて」という看板が見えた。
黒牛の味はよう知ってる、それのしぼりたてやったらいけるかもしれん。
そう思ってさっそくゲット。
とても楽しみだ。
夜になった。
晩酌の時間だ。
早速飲んで見る。やっぱり甘いやんか。
これも味が変わるのを待ちつつ毎晩飲んでいく。
「黒牛」のすっきりとキレのよい味わいがあんまり感じられへん。
わしは酒の味オンチなんかなあ?
繊細な甘さの良さがわからへんのかもしれん。
まあ、ともかく、わしにとってはかなり甘い。
これはとても残念だ。
これもさっさと飲んでしまおう。
いつもの、普通の酒がええなあ。
何にしても酒の道は難しい。
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ありがとうございました。