九度山暮らしのある日、中国映画、「春江水暖」を見た。

九度山暮らしのある日、中国映画、「春江水暖」を見た。

ある時、ネットを見てたら、話題の中国映画というんで「春江水暖」という映画が
紹介されていた。時々中国から話題の映画がやってくる。最近の国の勢いなんやろなあ。
その後、友人、知人からも情報が入ってきた。
よう見たら、知った地名がでてきた。浙江省の富陽というところが舞台ではないか。
わしが、3ヶ月強、絵の勉強で留学してた杭州美術学院がある街の郊外になる。
車で1時間ほどのところだ。とても懐かしい。
冨陽というのは富春江という川のほとりにある街だ。
川の風景が美しい。
なんと言うても、黄公望の「富春山居図」に描かれた風景だ。
これは日本で言えば国宝にあたる絵で、現在、台湾の故宮博物院にある。
めったに展示されへんけど、そういう機会があれば是非見に行きたい逸品だ。
横長の巻物になった絵で30cmX637cmの大作だ。
わしは雪舟の山水長巻図が好きやけど、そういうのは又別の話。
この絵の風雅に浸るために遊覧船がある。この船にのる旅もした。
とても良いところだ。
さて、久しぶりの映画館。コロナ緊急事態宣言下のときではあったけど結構な人集まり。
映画館は大丈夫なんて風潮がでてきてる。というか、やみくもに怖がるよりは気を
つけて行動すれば大丈夫なこともいろいろあるという知恵が誰しもの心に根付き始めた
のではなかろうか。

びっしりとは言わないまでもほぼ満員近い盛況ではなかろうか。
ざわついてた会場も暗くなって映画が始まると、静かになって集中モードになっていく。
画面はいきなり冨陽の街だ。
恋になやむ乙女がいる。母の許しが得られない。親の反対を押し切って結婚した人もいる。
一族一同に囲まれて幸せの絶頂にいる老婆が倒れた。
誰が面倒を見る? それぞれが抱える重い問題・・・
やくざと博打と借金地獄? どうやって抜け出す?
古い街はどんどん壊されて再開発の真っ只中。住宅バブルが始まっている。
時流に乗れる人、取り残される人。川で漁をする暮らし。
日本にもよくある有様。世界中高齢化社会。
世界中、格差社会。
それでも景色はどこまでも美しい。

ことばは、このあたりの方言が多く入っているらしい。
中国の知り合いによれば、この映画は中国国内では劇場公開されてないらしく、
ネットでないと見られへんらしい。
この国のことは相変わらずようわからん。
映画はとても美しくてドラマチックやけど、ちょっと賞を意識しすぎとちゃうやろか?
そういうわざとらしさを感じてしまう。
中国語がわからんせいやろか?
俳優はほとんど素人さんらしい? そのせいか?
全部で3部作やそうやから、これから先に期待しよう。
映画の中に、「富春山居図」まで出てくる。
こういう昔ながらのベタベタな水墨画を映画でどうみせるかも監督の腕次第なんやろね?

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ありがとうございました。