上海に来て、老上海の香りが残る瑞金二路のあたりをさまよっていた。
ちょっと買い物に出たついでに時間があまったので、瑞金二路まで出て、前から
気になっていた藍印花布の店を探そうと思ったのだ。
いろいろ迷って、目印の中山記念館を見つけてからやっと、その店がなくなっている
という事がわかったのだが、その間に面白いところを見つけた。
「田子坊」というところだ。最近できた街角かも知れない。
老上海の裏通りを改装して、バーやレストラン、小物屋とかができているのだ。
それ自体はよくある話だが、普通の暮らしの中に混在しているところが面白い。
洗濯物を乾した2階の下におしゃれな店があったりする。
しかし、観光客が沢山きて成功してるのかもしれないが、いかにもという雰囲気作りは
ちょっと鼻につくところがある。
そのあたりをそれとなく回っていて、陶磁器屋さんを見つけた。
ちょっと面白げな青磁とかがあったのだが、「高いな」と思って買わずに見ていた。
帰ろうと玄関先を見ていると、香炉みたいなのが並んだところに蝦蟇がいた。
銭を銜えて面白い形だ。
「これはお金が入ってくるというゲンのいいデザインなんです」という話。
まあ、それはないよりあるほうがいいけどあまり関係ないとして、
「蚊取り線香焚きに面白いかな」と思い、買うことにした。ちょっと小さいけど
工夫したら使えるだろう。
「これいくら?」、「40元」です。
「ちょっとまけてよ、お願いだから」、「しょうがないですね、35元では?」
「日本から来たのにもっとまからんの?、30元にしてよ」、
「いや、これ以上は無理ですよ」、「じゃあそれでいいよ」
と値段交渉も愉しんで手に入れたもの。
ちょっと怪しげな顔がおもしろいでしょう。
田子坊ってこんなとこです。
毎週月曜はこだわりのモノの話です。