赤瀬川源平・山下裕二、「雪舟応援団」
「慧可断臂図」って実は凄まじい画だったんだ。
単純に「達磨とその弟子の画」くらいに思っていたら、弟子入り志願にとりあって
くれない達磨に対して、慧可はその決意を示す為に左手を切り落として差し出す。
まさにその場面を画いているのだ。良く見れば、左手首のところが離れている。
うっすらの血すら画かれている。こういう凄まじい画だということを知らなかった。
雪舟の常識に捉われない発想。あえて画ききるパワー、老いても衰えるところのない老人力。
そういう観点から雪舟を描いた本である。
雪舟はこんなに頑張っているじゃないか、我らも頑張ろうよという事だ。
この夏の東京国立博物館で雪舟を見て以来、私も雪舟にとりつかれている。
いろんな解説本を買ってしまった。
そして、「金山寺」を見たくて中国の鎮江まで行ってしまったという始末だ。
画を学んでいく上で、実にいろんなヒントと元気をもらえたこの頃だと思っている。
ジェフリー・アーチャー、「プリズン・ストーリーズ」
この作家、ストーリー作りが実にうまい。
「百万ドルを取り返せ」でもそうだったけど、息もつかせずに読ませる話ばかりだ。
おしゃれで、粋で、クレバーな泥棒話ばかり。
どうやら、この作家、刑務所暮らしをしたことがあって、そこで聞いた話が元でできたんだよ
という仕立てになっている。
ほんとか嘘かわからないけど、それが実話っぽさを引き立てている事も確かだ。
難しい事を考えず、あんまり頑張りたくない時、さらっと読むのにうってつけだ。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。