コリン・コッタリル、「老検視官シリ先生がゆく」
何と舞台は、ラオスの首都ヴィエンチャンだ。行った事も見たことも無い。
「東南アジアでは闇に包まれた国」と勝手に思っているほどの場所を舞台に
老検視官シリ先生が活躍する推理小説とあっては、読む前から心が躍る。
ヴィエンチャンってどんなとこなんだろう。どんな人たちがいて、どんな暮らし
をしているんだろう。
そして、シリ先生のところに死体が運ばれてくる。この人はどうやって死んだ?
どんな事件に巻き込まれた?、犯人は誰だ?
そして不思議、死者の魂と癒されぬ心がシリ先生に真実を告げようとする。
本当の犯人は誰だ。
ベトナム政府と国際問題になってしまわないのか。
実に面白い。
ヴィエンチャンに行ってみたいなあ!
芥川龍之介、「湖南の扇」
前に芥川龍之介の「支那遊記」を読んだ話をした。
文豪が上海を中心に蘇州、杭州などを巡った時の紀行文だ。当時の中国の状況が
生き生きと描かれていて楽しかった。
それで味をしめて、書棚を探していたら、「湖南の扇」という短編集があった。
これも読んでみると実に楽しい。
先の支那遊記で中国に遊んだ時の何かがベースになってできた物語だと思う。
舞台は、この夏に旅をした長沙の街だ。それだけで懐かしい。
男が長沙についた。船から降りる。
船客を出迎える人の群れの中に謎の美しい女。
そのうちに、謎の女に男が居る事がわかる。
男は有名なギャングの親分・・・・
ちょっと旅をしたら、こういう話を紡ぎ出すって。
やっぱりすごい文豪だなあ。
毎週火曜は、最近夢中で読んだ本の話です。