最近読んだ本、「熱源」、「仮面病棟」

  • 2020年6月6日
  • 4人

川越宗一、「熱源」

とても感動した。前からアイヌの暮らしや文化に興味があったんやけど本などで
読む機会があんまりなかった。こういう形で小説にする作家がいてくれてとても
嬉しい。
ヤヨマネクフ(後に山辺安之助)は樺太出身のアイヌだ。時代の波に飲まれて村ごと
北海道、対雁(ツイシカリ)に移住してきた。そして、気高く美しいキサラスイを
伴侶に得て、幸せな暮らしが始まった。
それも束の間、村は、天然痘に襲われた。猖獗を極め、ついにキサラスイまで?
彼は息子を連れて故郷、樺太を目指す。
厳しい旅だ。かれらは行き着くことができるのか?
安住の地を見つけられるのか?
一方、ブロニスワフ・ビウツキはモスクワで学ぶポーランド人の学生であったが、
おりからのロシアの革命騒ぎに巻き込まれ逮捕されてサハリンに流刑されることになった。
流刑といってもそこそこ自由はある。かれは博物学を学んだ。そしてそれなりに
認められるようになってきた。
そして、刑が終わってから、彼は原住民の村へ、アイヌの村へ。
二つの物語が交錯しはじめる。
アイヌの暮らし、サハリンー樺太の暮らし。ロシア人と日本人。
ロシア軍と日本軍。
戦争が近い。それぞれが運命に弄ばれつつ、時代が変わる。
白瀬中尉の南極観測船、金田一京助のユーカラ研究。
戦争が始まる。
戦争が終わる。
壮大でロマンチックで哀しい物語が残る。
とても面白い。

知念実希人、「仮面病棟」

速水秀悟は先輩に頼まれて、ある病院の当直アルバイトをすることになった。
急な話だ。さっさと済まそう。
ところが、突然、仮面を被った男が銃を持って侵入してきた。しかも女性の人質を連れている。
しかも、犯人に撃たれている。
彼女を治療しろ、私はここに篭城すると犯人が宣言した。
そして、夜が明けたら出ていくとも。
犯人は1階に階上には彼と院長と看護師2人、撃たれた女。更に長期療養中の寝たきり患者が多数いる。
さて、これからどうなる。
どうすれば外部と連絡がとれる?
打たれた女の手術は成功した。
犯人が外で起こした事件については警察が動いている。しかしここにいるとはわかってない。
何故犯人はここに転がり込んで来た?
院長の動きがおかしい?
看護師の動きもおかしい?
そして、事件が起こった。
この病院には何か謎と闇が潜んでるのではないか?
いったいそれは何か?
朝が来るまでに何が起こるのか?
そして意外な事実が明らかに?
とても面白い。

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ありがとうございました。