最近読んだ本、「ボッティチェリの裏庭」、「奇妙な死刑囚」

  • 2020年2月24日
  • 2人

梶村啓二、「ボッティチェリの裏庭」

名作の真贋を見極めることは、人生の真贋を試されることだーー
時代を超え、国境を越えていくスリリングな疾走感、こんな物語が読みたかった。
なんて「帯」書きに惹かれて読んでみることにした。
早瀬孝夫はデジタル画像処理を専門とするエンジニアだ。海外からも優秀な人材と
みなされているらしく、ヘンドハンターからの接触が盛んにある。しかし、かれが所属する
会社は経営が思わしくなく、部門閉鎖が相次ぐ中、ハンティングに心が揺らいでいる。
そんな時、急逝したドイツ人の親友フランツの妻カオルから会いたいと言う連絡あり、
急遽ドイツに飛ぶ。しかし、会いたい会えないと不思議な連絡のあと姿を消す。
残されたカサネと彼女を探す旅に。
突然、カオルを誘拐したという連絡。そしてボッティチェリの絵を渡せという。
なんのこっちゃ? そんな絵をフランツが持ってるはずがない?
話は大戦中のドイツに時空を飛ぶ。
ヒットラーの命令でヨーロッパ中の旧家、名家から芸術品を没収する部隊が編成された。
彼らが見つけたものは? そのお宝はどうなった?
その中にボッティチェリが?
そして彼らの中にフランツの祖先が?
果たしてカオルは帰ってくるのか?
ボッティチェリの絵はどうなる?
カサネとタカオの旅の果は?
とても面白い。

アンソニー・レイ・ヒントン、「奇妙な死刑囚」

これはすごい本だ。現実の話という重みが圧倒的な存在感をつくっている。
こんなことがあるのか?
なんと恐ろしい。
アメリカ、アラバマ州の田園地帯、貧しい農家の街だ。
ある日突然、スーパーマーケットの倉庫で床掃除をしていたアンソニー・レイ・ヒントン
という男が突然逮捕された。
それも殺人容疑だ。
見に覚えがない。いずれは釈放されると高をくくっていたら、事態はどんどん悪い方向へ進む。
見に覚えがない証拠が続々と提示される。
そんな馬鹿な。
黒人やから犯人ありきで裁判が進んでしまうのか?
法定弁護士の費用だけでは、ちゃんとした弁護士を雇えない。
母の古い拳銃が使われたとされた。
そんなはずはない。
しかし、拳銃に対する反論の証人を弁護士が呼ばなかった。
嘘発見器にもかけられたけど、その結果も採用されなかった。
そして死刑囚となってしまった。
確定して処刑されるまで時間がない。
しかし、希望をすててはいけない。
かれは刑務所の中で努力する。ありとあらゆることをする。そして囚人たちの力になる
こともやっていく。
皆で本を読む。心の支えをみつける。
しかし、事態は進展しない。周りで処刑される人が増えていく。
恐ろしい。
どうなる?
そしてとうとうブライアン・スティーブンソンという弁護士と出会える。
彼が新たな裁判闘争の道をつけてくれた。
希望はでた。
そして・・・・。
とても素晴らしい本だ。

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ありがとうございました。