最近読んだ本、「フーガはユーガ」、「巨大なラジオ」

  • 2019年6月6日
  • 1人

伊坂幸太郎、「フーガはユーガ」

あいかわらずこの人の小説は面白い。ついつい夢中で読んでしまう。今回も
そんなことありえないような、けどホンマにありそうな、あって欲しいような、
ハラハラドキドキ、次はどうなんねん? このままエエまま行ってほしい?
いや、それはあかんやろ? それだけは無しやで・・・
なんて全力で主人公たちに思い入れしてしまったりしながらあっという間に読んで
しまった。
実に魅力的な本だ。
たちって言ってしまったようにこれは双子の物語。
風雅と優雅の物語だ。
優雅の話から始まる。ファミレスで待ち合わせたのはテレビ若手有望ディレクターらしい。
番組への売り込みの話なんやろか?
双子の兄弟の哀しい生い立ちから始まる。
父親からの激しく容赦のないDV。母親は無力で無関心、挙句の果てに二人を見捨てて出ていった。
そしてある日、突然不思議な事実に気がついた。二人の誕生日(当然同じ日)のある時間が
来たら二人の居る場所が瞬時に入れ替わるという現象が起きたのだ。
さて、これで二人の人生は変わって行くかもしれない
父との確執はどうなるのか?
中学同級生、ワタボコリの存在とは?
ふとした事で知り合ったリサイクル業の岩窟おばさん。
そして血だらけのシロクマの人形を上げてしまった小学生が行方不明に。
彼らの身にも周りにも不条理は続く。
優雅は高校へ、風雅は働くー小玉と出会い恋人に。
しかし、不条理は続く。
二人は正義の味方、仮面ライダーになれるのか?
悪を懲らしめることができるのか?
痛快でカッコよくて、とても哀しい。
ディレクターの正体は?
父親は?
とても切ないけど、読み応えのある本だ。

ジョン・チーヴァー、「巨大なラジオ」

ニューヨーカーに連載された短編集らしい。
とてもオシャレで都会的でセンス抜群のカッコイイ、珠玉の短編集。
かと思いきや全然違う。
時にシュールな、時にブラック・ユーモア的な、時に不条理な、時に切ない、
中々味のある短編集だ。
アパートの12階に住む夫婦
美しい音楽ー壊れたー新しいラジオ、何が聞こえた シュールな現実
おお、夢破れし街よ
ウェントワースの町、脚本が認められるニューヨークへ、待っていたものは
サットン・プレイス物語
ニューヨーク高級アパート若い夫婦娘デボラ
乳母、ルネ女優、デボラを気に入る、乳母は預けてどこかへ、ある日いなくなる
トーチソング
ジョーンハリスとジャックとのかかわり
男がとっかえひっかえ、オハイオからやってきた無垢な娘
無垢なまま落ちていく
バベルの塔クランシー
マンハッタンの富裕なアパートのエレベータ係
載せない? 自殺を助ける?
治癒
引越し日
シェイディー・ヒルの泥棒
ある日金に困って知人の家に忍び込んで財布を盗んでしまう。
それから彼にとりついたものとは
林檎の中の虫
カントリー・ハズバンド
真紅の引っ越しトラック
飲んだら暴れる夫、いたたまれなくなる引っ越し
再会
愛の幾何学
泳ぐ人
プールを泳いでつぎつぎに、どこまで行く
林檎の世界
パーシー
四番目の警報
ぼくの弟
何が起こったか?
なぜ私は短編小説を書くのか?
とても良い。じっくり読んでみたくなる本だ。

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