吉田修一、「橋を渡る」
「春ー明良」
明良と妻、極、普通の夫婦の暮らし。ある日不思議な訪問者が、それに続いて
不思議な届け物が。そして、もしかしたらストーカー?
そして甥の孝太郎にも事件が。穏やかな暮らしがざわついてくる。
「夏ー篤子」
篤子と夫、都議会議員ではあるが平凡な普通の暮らし。しかし、旦那の動きが
どうも怪しい。セクハラ野次議員てもしかしたら彼とちゃうやろか?
こっそり訪ねてくる友達は何者や? もしかしたら賄賂受け取ってる?
そして彼女の周辺もざわついてくる。
「秋ー謙一郎」
謙一郎はやりてのテレビ記者だ。婚約者をおいて、民主化運動真っ只中の香港へ
飛ぶ。しかし、どうも彼女の様子がおかしい。
彼の周辺がにわかにざわついてくる。いったい何が起きたのだ。
「そして冬」
おやいつのまにかSFの世界に入ってしまったのか?
すべてのざわつきの果ての果てがどうなったのか?
過去と未来は交錯するのか?
そしてエピローグ。
この人の本は嫌な人の書き方がとてもうまいと思う。良い人だったはずがいつの間にか
嫌な人に、もう読みたくないわって思うほどざわざわ心の中を逆なでされたあげく
やっぱり読むのをやめられへん。
すごい作家なんやろなあ。
キャサリン・ハーカップ、「アガサ・クリスティと14の毒薬」
アガサ・クリスティは大好きだ。事件と謎解きだけではなくて、人間の裏側に
蠢く欲望や嫉妬、その他もろもろ、人の世の哀しさ虚しさを生き生きと描いて
見せて、それでも時にはポアロさんが現れて真相を解明し、悪をえぐり出して
希望もあるではないかと思わせてくれるからだ。
犯罪の仕掛けは多種多様でとてもよく考えらえているけど中でも毒薬の使い方は
素晴らしい。間違いのない専門的な知識が駆使されているようだ。実際、クリスティは
薬物を扱う仕事に従事してたことがあるらしい。この本はそれらの毒物が
どのような知識でどのように使われたか、本当にそんなふうに作用するのか
様々な角度から解説している。改めてクリスティの面白さを確認させてくれる本だと
思う。
A:ヒ素 殺人は容易だ
B:ベラドンナ ヘラクレスの冒険
C:シアン化物 忘れられぬ死
D:ジギタリス 死との約束
E:エゼリン ねじれた家
H:ドクニンジン 五匹の子豚
M:トリカブト パディントン発4時50分
N:ニコチン 三幕の殺人
O:アヘン 杉の柩
P:リン もの言えぬ証人
R:リシン おしどり探偵
S:ストリキニーネ スタイルズ荘の怪事件
T:タリウム 蒼ざめた馬
V:ベロナール エッジウェア卿の死
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ありがとうございました。