最近読んだ本、「網内人」、「国道食堂」。

  • 2021年6月16日
  • 1人

陳浩基、「網内人」

ある日突然、14歳の妹シウマンが飛び降り自殺した。
姉のアイはそれを信じられない。納得できない。受け入れられない。
この世にたった1人の身内ではないか。父が事故で死んだあと、母が2人を育ててくれた。
苦労のしすぎ、働きすぎでとうとう死んでしまった。
この上まだ不幸がやってくるのか、アイは不条理に泣く。
知り合いの探偵にに調べてもらううち、自殺の原因が少しずつわかってきた。
シウマンがセクハラに遭ったことをSNSで書き込みされ、それが原因でいじめを受けていたようだ。
それなら殺されたようなものではないか? 誰がそれをやった。
調べよう。しかし、ネットの世界はわからない。
探偵に訪ねたらアニエという男を紹介された。不思議な人物。
ハイテク犯罪専門の探偵らしい。正義の味方かどうかはわからない。
僅かな蓄えのすべてを要求される。それが信頼の証なのか。
そして、ネットの裏側、ダークな世界に踏み込んでいく。
果たして、犯人は見つかるのか?
誰が誰を陥れているのか? シウマンは本当は何故死ななければならなかったのか?
ITの世界の中で復習はできるのか?
犯罪とは何なのか?
今どきの高度情報化社会を生きる人達が背負ってしまうかもしれないダークな世界を
垣間見させてとても面白い。
スピード感があってわかりやすくてワクワクしやすい。
この人の『13・67』もとても良かった。
香港の作家がこれからどうなっていくのか。
頑張って欲しい。応援したい。

小路幸也、「国道食堂 1st season」

とても楽しい本だ。まるで漫画を見てるよう。
まるで、テレビドラマをみてるよう。
軽くて、わかり易い。
ロードモノのような。ご当地グルメモノのような。青春ドラマモノのような。
明るく楽しいやつだ。
高速を使ったメインのルートを外れたところにもトラック野郎たちの愛用する
国道がある。
そういう道にはしばしば美味いもんを食わせる食堂がある。
神奈川の外れの田舎道? 国道517号?
そんなとこにいかにも妖しい食堂がある?
だって、お店のなかにプロレスのリングがあるんだって?
餃子やザンギの定食がある。
何を食ってもとても美味しい。
昔の学校を改造したような建物に、不思議な人達が住む。
店主は元プロレスラー。従業員は双子の婆さん。
わけありげな少年、少女。
どんな人にもドラマがある。それがプロレスリングとおいしい飯をとおして、
この場所で立ち上がる。
ほのぼのとして楽しい。
みんないい人たちやから最後は無事に集結する。
わかり易い。
とても面白い本であった。

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ありがとうございました。