最近読んだ本、「垂直の記憶 岩と雪の7章」、「ニムロッド」

  • 2019年5月28日
  • 1人

山野井泰史、「垂直の記憶 岩と雪の7章」。
先日、ブログに書いた沢木耕太郎の「銀河を渡る」という本を読んでて
この本の存在を知った。同じく沢木耕太郎の「凍」という本の主人公で
ある山野井泰史本人が書いた本だ。
「凍」は殆がギャチュン・カン北壁に挑む山野井の死闘を描いたさすが
ドキュメンタリーの名人と思わせる素晴らしい作品やったけど、こちらは
ギャチュン・カンに至る彼と妻の山登り人生を振り返った作品になっている。
両方読んで比較してみたらとても面白い。
プロの作品はさすがだ、本としてとてもドラマチックで惹きつけられる。
究極の死をかけた岩壁登攀に向かって息もつかせぬ展開で読者を引っ張っていく。
本人のやつはもっと淡々としてる。しかし、本人ならではのリアリティに
溢れている。何故、手足の指を全部失うまでして山に登るのか?
何故、単独あるいは極少人数での登山にこだわるのか?
何の為に生きているのか?
いろんな想いが伝わってくる。
とても面白い。

第1章 8000メートルの教訓
ブロード・ピーク
第2章 ソロ・クライミングの蘇生
メラ・ピーク西壁とアマ・ダブラブ西壁
第3章 ソロの新境地
チョ・オユー南西壁
第4章 ビッグ・ウォール
レディーズ・フィンガー南壁
第5章 死の恐怖
マカルー西壁とマナスル北西癖
第6章 夢の実現
k2南南東リブ
第7章 生還
ギャチュン・カン北壁

上田岳弘、「ニムロッド」
ビットコインと芥川賞につられて読んでしまった。
ようわからんけど、最近の芥川賞ってあんまりおもろない。何か普通とは違う感覚とか
スタイルが評価されてるんかわからんけど、わしのような爺さんには単純に感動したり
内容に惹きつけられたりというのが少ないような気がする。
ビットコインという考え方はとても良く出来てると思う。これが仮想マネーとして世の中を
席捲することがあってもおかしくないとも思う。しかし、それでも人間とのインターフェースの
ところでほころびがまだまだ多いみたい。
そんなものがはびこった世の中のわけのわからんネット空間の世界とどうにもならん
人の世のごちゃごちゃみたいなんがからみあった不思議な世界を見せてくれるんかと期待して
読んだけど、ちょっと期待はずれやったかもしれん。
歳を取ると感性が鈍くなってしまうんやろねえ。
僕は中本哲史、ちなみにsatoshi nakamotoはビットコインを創造した人、レンタルサーバの
運営会社に勤務してる。やっと管理職になったら、何故かビットコイン採掘担当。
元同僚のニムロッドから定期的に届くメールは駄目な飛行機コレクションの話とは
何を意味するのか?
恋人、田久保紀子との関係はどうなっていくのか?
彼女が抱える闇とは何か?
3人はどこへ行ってしまうのか?
しかし、技術の進歩、ITやAIが支配する世界、そして個人の崩壊?
なんてことを鋭くえぐったようには思えんかったなあ? 知らんけど。

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ありがとうございました。