九度山暮らしのある日、京都、鹿ヶ谷、「泉屋博古館」へ行った。

「東アジア蔬果図の系譜」というやつを見に行った。

先日、中国旅行に行って南昌というところにある「八大山人記念館」に行く機会があって
えらく感動、大満足した記憶がまだ消えやらずの頃、八大山人が「泉屋博古館」に出てるでって
話を聞いた。当館所蔵のかの有名な「安晩帖」が出てるんかとびっくりしたけど、
確かに「安晩帖」は出てるんやけど1枚だけ見せてるみたい。それでもええし、
蔬果図はとても興味ある画題やから、若冲や呉春が共演中というし、いっかい見てみたい。
ということで篆刻の勉強の帰りに友人と鹿ヶ谷をめざす。

泉屋博古館

その前に、景気づけに四条河原町で一杯やったら景気はついたけど体が重い。
それでも勢いのまま、歩いて行くことに。さすが京の街、インバウンドの観光客が
やたら多い。まっすぐ歩けんほどではないけど道が混んでいるし、思ったより
遠い。というか足取りが重いせいやったかもしれん。やっと到着するととても
品の良いお庭が見えた。

泉屋博古館

紅葉が美しい。
カメラを仕舞って中に入る。
いきなり八大山人の瓜鼠図があった。さすが。小さくても存在感がある。
奥に入る。

泉屋博古館

有名な人の作品が一杯ある。眩しくて目移りする。
どれも素晴らしいけど、わしには「雪村周継」の「蕪図」に一発で魅入られた。
上の写真にも紹介されている。さらっと書いてるようで濃淡がすばらしい。
薄墨の美しさがとても良い。こんな綺麗に墨を扱えたらええなあって思う。
静の中にも動があるかのようだ。
とても勉強になる。
他にも沢山惹かれるやつがある。
やっぱり若冲はすばらしい。鉄斎もある。
最後は横長の2大長巻。呉春の「蔬菜図巻」と若冲の「菜蟲譜」。
どちらも素晴らしい。
呉春は俳人らしく軽妙洒脱感がとても良い。
若冲は細部が躍動してる。緊張の中のユーモアがとても良い。バックの黒がとても
美しい。これは絹本なんやろね。下塗りでもないし、裏彩色でもない。
全部目の保養、ええ勉強をさせていただいた。

雪村。

久しぶりに雪村の絵を見た。
懐かしくなって手元にあった画集を眺めてみる。
「慧可断臂図」、「呂洞賓図」や金山寺の絵、瀟湘八景なんかが有名やけど
南宋の時代の人物画や花鳥画を学んだ風がある。だいぶ前に杭州に絵の勉強に
行った時に、杭州の美術学院は南宋の絵が基本やということで、人物画や
花鳥画をいっぱい模写して勉強した。その時に出てきたお手本に通じるものが
画集にも漂っている。
懐かしいなあ。
勉強せんとあきませんなあ。

表にでたら、「永観堂」へ紅葉を見に行く、あるいは帰る人達がわんさと居てはった。
まだ9日までやってるんで、皆様是非どうぞ。

「泉屋博古館」

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ありがとうございました。