九度山暮らしのある日、奈良、五條、五万人の森の公園、「森のカフェ」でお茶を飲む。

バードウォッチングって何がおもしろいんでしょうなあ？

奈良県五條市といえば、すぐ隣というか、隣のとなりというか、かなり近くにある。
そやから実は吉野とか十津川とかいうても九度山からそんなに遠くはないのだ。
てなことである日、市立五條文化博物館に用があった。わしの用ではなくて家人の用だ。
場所がわからんのでググってみたら京阪奈道の五條インターを降りたらすぐらしい。
それなら簡単、家から20分くらいで行ける。
五條インターで降りて、市内に入っていく道からはるか前方をながめると紀州、熊野の
山々が重畳と尾根を連ねてとても壮観だ。ええなあ、この眺め、今度じっくり見に来よう。
ぐるぐると山手を少し走って、博物館に着く。
五万人の森公園という大きな公園の中にある。
到着してもわしにはすることがない。家人の用が終わるのを待つだけなのだ。
とりあえず公園をぶらぶらするけど何もない。と思いきや、20人ほどの人だかり、
何やろと付かず離れず中途半端な距離から様子を眺めるとどうやらバードウォッチングを
楽しんではるらしい。双眼鏡をみながら指差ししながらいろいろ呟いてはる。
何やら指導者の方がきて解説してくれはるような会合かもしれん。巨大な望遠レンズを
装着したカメラを三脚にセットして眺めてはる人も何人かいてる。
鳥を見るだけで盛り上がれるのはすごいなあって思う。
別の場所では、ワンボックスカーが２、３台駐車して、その横で家族が
集まってバーベキューを楽しんではる。夕べから来てキャンプしてはったんかなあ？
楽しそうだ。
そんなん見てても結構暇やから、ちょうど公園の端の方に見えた喫茶店に入って見る。
「森のカフェ」というらしい。
中は喫茶店のような休憩所のような、ゆるっとした感じのところだ。
あんまり気いつかわんでゆっくりできそうなんでここで珈琲でも飲んどこう。
珈琲とセットのカリントウ饅頭というのをいただく。

窓側の席につくと、さっきのバードウォッチングが目の前だ。
こんなとこでのんびりしながら、更にのんびりしてる人たちを眺めるのも面白い。
ウォッチングしてる人たちをウォッチングするのだ。
いろんな表情が見られて興味深い。男女の違い、年齢の違い、強弱、高低、
肥痩、性格の違いまではわからんやろけど、じっくりスケッチしたいくらいだ。
向こうは珍しい鳥の存在を確認してるけど、わしは人間模様を見てる。
おもしろい関係ではないか。
かりんとう饅頭というのを初めて食べる。初めてではないかもしれんけど記憶に
無いんで初めてと一緒だ。皮がその名の通りカリッとして香ばしい匂いがする。
皮も中も甘くて結構美味しい。
珈琲もなかなか美味しい。
というかとりあえずちびちび飲んで時間を過ごそう。
大きな芝生の前のおおきなガラス張りの窓はとても開放感があっていい感じだ。
バードウォッチャーさんたちをウォッチしてるうちに時間がすぎた。
帰りは丘から下って国道まで出ると、有名な大月精肉店さんの前を通る。
ここのコロッケやミンチカツ、串揚げなど、とても美味しいと評判なのだ。
試しに少し買って帰ろう。
ちなみにとても美味しかった。