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田植えの風景はとても面白かった。時間が経つのを忘れそうだった。ただの通りすがりやのに。
名残惜しいけど、次は観光コースに戻る。
今からモクチャウまで行って、ホテルの前を通って、チェックインしないで通すぎて、茶畑へ行く。
ホテルを通り過ぎて30分しないうちに茶畑へ着いた。
なるほどこれか。えらい広大ではないか。
昔、初めてか、2、3回めか、なんせ最初のころホーチミンに来た時に、ベンタン市場に
行ったら高山茶というのが売ってた。ベトナムでもお茶がとれるんか? 茶ができる
高山があるんか? って不思議に思ったけど、あっても不思議やないから不思議に
思うほうが間違ってて、やっぱり見たとおり、いくらでもお茶が採れている。
おいしそうだ。
それもええけど後ろの山も気になる。
何故か中国の奥地にいったような気になる妖しい山並みだ。妖しい=中国ちゅうのも
相当なステレオタイプ思い込みやけど、やっぱり多いんでしょうがないかも。
それにしても広い。
これはどういうお茶になるんやろ? 緑茶かな? やっぱり烏龍茶?
市場で買うことはあるけど一般には有名なんやろか? わしはあんまり知らん。
やっぱり宣伝が下手なんとちゃうやろか?
飲んだら美味しいんやろか? 農薬使ってへんのやろか?
あんまり情報がないなあ。
やっぱり茶畑はインドダージリンや台湾の凍頂山や阿里山みたいな高山の斜面で
見るのが良い。収穫は背中に籠をしょって斜面を登ったり下ったり大変なんやろけど
見てる分には山霧がたって幻想的な風景の中にあるんでとてもエエ感じだ。
こんなとこで採れたお茶はきっと美味しいやろうと確信できる。
それがブランドになっていく。
ここは日本の茶畑や中国の杭州にある龍井茶の茶畑によく似ている。ほんなら
やっぱりここもエエお茶ができるんやろ。
見霽かす茶畑の波打ち具合がとても良い。
ただひたすら茶畑の中を歩き回るのも観光の一つか? それもエエなあとは思う。
そのうちに茶畑の端のほうで何やら人だかりがしてる。
大きなトラックがきて若い人たちがワイワイやっている。
なんかモメてるんかなあって気になるけどそうではないらしい。皆、真剣な
顔をして働いてはる。何してるんやろってようみたら茶葉をトラックに積み込んでるのだ。
皆の視線の先を見たら茶畑で異様なモノが動いてる。
どうも、機械で茶葉を刈り取りながらそれをすいこんで袋に吐き出してるらしい。
4人でその機械を動かしながら茶畑の端から端まで移動していって、吸い終わったやつを
うんとこしょっとトラックの荷台に運び上げるという仕掛けのようなのだ。
なるほどえらい機械化、合理化されてるやんかと感心するけど、茶葉って、
少しずつ手で摘むみ集めるという繊細さが必要なんとちゃうやろか?
こんなダイナミックなんも見てる分には面白い。
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