最近読んだ本、「元禄六歌撰」、「コンタミ」

  • 2018年8月15日
  • 1人

野口武彦、「元禄六花撰」
短編小説集のような、エッセイ集のような、歴史モノのような、経済話のような、
SFモノのような、不思議な本だ。昔話のような、昔になぞらえた今様そのもののような、
今も昔も人の世は欲と金と、セックス、囚われたら逃れられない難儀なもんだ。
おそらくそういうふうに見られる、ジャンルを越えたモノというのが著者の狙いなんやと思う。
そういう意味で面白い。
二流作家
浮世草子の都の錦が一時は人気作家になれたもののあっという間に凋落してしまった。
あの手このても起死回生にはならない、挙句の果てに?
大奥のオイチョカブ
大奥で流行ったものは? おいちょかぶ? トランプ競技?
それで人事が決まる?
カネに恨みは数々ござる
「京鹿子娘道成寺」の瀬川菊之丞、役者世界をめぐるセックス話。
梅が枝の手水鉢
叩いてお金がでならば、道成寺の金の話。
お初観音様
髪切り男のなれのはて、倒錯が倒錯を呼ぶ。
曽根崎の女
震災の重力のずれが不思議な出会いを呼んだ。

伊与原新、「コンタミ 科学汚染」
町村圭は慶成大の大学院、生命科学准教授の宇賀神の元で学んでいる。
ある日、長年の片思いの相手櫻井美冬に連絡がつかないことに気が付いた。
避けられているわけではないみたい。本当の行方不明? 何かわけがある?
どうも万能深海酵母群から作ったというVEDYなる妖しげなニセ科学商品の開発に
携わったのではないかとう噂が出てきた。優秀な科学者であるはずの彼女が何故
そんなことを?
調べれば調べるほど謎が深まる。
いったい万能深海酵母群というのは何なのか?
疑似科学、ニセ科学というのはいったいどういうことなのか?
だれが考えたのか?
どうも篠宮論文というのが関係あるらしい。
そして驚くべき秘密も?
さて美冬は見つかるのか?
エンジニアリング系の話としてはとても面白い。けど推理モノ、サスペンスものと
しては、殺人が出てこない分は好感が持てるけどちと迫力に欠ける気がしないでもない。

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