本物のラプサンスーチョンって?

上海の茶城の話を何度もした。茶缶も買ったし、豊子凱の画の本も買った。
しかし、更に続きがあるのだ。
一回で茶缶を探している時に、福建省のお茶屋さんを見つけたのだ。そのお茶屋
さんには、「正山小種」という看板があるのが目についていた。
いわゆるラプサンスーチョンというやつだ。
それで、買い物やらいろいろ終わった時、その店に行って見る事にした。
「正山小種ありますか?」、「いいのがありますよ」と出してくれたが、
「これ匂いせえへんや。もっとええのないの?」
「これが、1番いいのです。こっちは2番目」3種類くらい出してくれたから
匂いを嗅いでみた。しかし、あの松で燻した強烈な匂いがしない。
私の語学力ではしゃべってもなかなか通じないから、松と燻の字を紙に書いて
見せると、「わかってるよ」という顔をして、2番目のやつを指さし、
「これが1番香りがついている」という風な事をいう。
よく匂いを嗅ぐと確かに匂いがしないではない。しかし、日本で売っているような
強烈な匂いではない。
今度は飲み比べて見た。
燻しの匂いが無い分、強烈さはないが、紅茶として飲めば大変美味しい。
「確かに旨いなあ」、「そうでしょう。私のとこの紅茶は最高だよ」
そうなるとこう考えるしかないのかなあ?
・中国では、ラプサンスーチョンと言われようが言われまいが関係ないから
・「正山小種」というのは松を燻して造るにしろ無理な香り付けをしない。
むしろ今では、ほんのり程度の自然な香りが好まれている。
・日本なんかで所謂ラプサンスーチョンというのは後で強い香り付けをしたものだ。
こう考えたほうがいいのかもしれない。
「ともかく家でも飲んでみよう」と何度も飲んでいる。
わずかな香りがないではない、極上のダージリンというところやね。
今日は、白茶とミックスして飲んでみた。
「良い香り、良い味だよ」

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毎週金曜は酒や茶に関する話です。