「さて、一枚写真とっとくか」カメラを構えていると、ガラッと戸が開いて、
中から人が出てきた。ちょっとひるんでいると、ガシャガシャっと大きな
カメラを構えて構図を探り始めている。
「プロが来てんかな?」と思いつつ、店に入った。
「いらっしゃい」と言われながら眼で空席を探していると、カウンターは
あいているが、椅子席を指さされた。
「一人やけどええんかな」と思いつつも中間の空いた席に座る。
入り口手前の席では二人を相手に中年の男の人が一生懸命に喋っていた。
「ニューブレンドコーヒー下さい」何やらおいしそうだ。
本町に昔からある喫茶店で、店舗も珈琲も昔の味を残している店があるという
のでやってきたのだ。
ドーナツがおいしいというがあいにくお腹がいっぱいだ。
「コーヒーは濃いめで良い香りがするなあ」と思いつつ飲んでいると、
カメラを持った人が帰ってきて、今度は店内を撮り始めた。
「何かの取材なんかなあ?」まずいところに来あわせたのかもしれない。
知らない顔をしようとパソコンを取り出して打ち始めたが、やっぱり
ちょっと気になる。
手前の席から、「珈琲は・・」とか、「ベトナム珈琲は・・」とか
「昔からの味が・・」とかすこしずつ漏れ聞こえて来るから、知らない顔を
していてもだんだん耳が大きくなっていく。
そのうち、カウンターの客にも、「映らないけど・・・」とか言い始めて
ドーナツを揚げるとこやらも撮り始めた。
「本格的な取材なんやなあ」と思った。はっきりわからんけど、
○○手帖とか何とかグルメ雑誌の取材みたいだ。
「ごくろうさんです」
このままの雰囲気で頑張って下さい。
店名、「平岡珈琲店」
ジャンル 喫茶店
住所 大阪府大阪市中央区瓦町3-6-11
電話 06-6231-6020
営業時間 7:30~18:00 (土曜は~13:00)
定休日 日曜・祝日
言語 日本語
メニュー 日本語
毎週金曜は酒や茶に関する話です。今日は珈琲。