文善、「逆向誘拐 」
とても異色で、とても面白い。アイデアが光る小説だと思う。
台湾で開催されてる島田荘司推理小説賞の第3回受賞作品だそうだ。
日本と台湾でそういう繋がりがあるって知らんかったけど、何にしても繋がりが
あって仲良くなるのはとても良いことだ。
で、この作品。
国際投資銀行(A&B)の情報システム部に植嶝仁という若者がいる。どうやら
親のコネで入ってきたらしい。仕事はできそうだが熱心ではない。
この会社には若くて優秀なアナリストたちがたくさんいて、時には彼らと
飲んで羽目を外すことがおおい。そんなある夜、不思議なことが起こった。
そのアナリストの一人の女性が何かおかしな事が起こったと相談にきた。
どうやらいま躍進中の「ソフトウエア開発会社クインタス」の財務データの一部が
消えたというのだ。
何故?
誰が?
最初はいたずらと思った。
しかし、じきに脅迫状が届いた。
機密データを誘拐したと言うのだ。もちろん返して欲しかったら金をよこせという脅迫付きだ。
なぜそんな文書が誘拐ネタになるのか?
どうやって金を受け取るのか?
このソフト開発会社はフルーツという有名企業の携帯端末のアプリを開発してる。
電子マネーと新しい流通形態を創り出すすばらしいコンセプトを持ってるらしい?
事態がだんだん明らかになっていく。
これからのIT社会でいかにも起こりそうないろんなアイデアと可能性が次々と現れて、
小説であってもいかにもと思わせてワクワクする。
さて、果たして機密データはどうなるのか?
誘拐されたのはデータだけなのか?
お金の動きがとても面白い。
フレデリック・フォーサイス、「アウトサイダー 陰謀の中の人生」
フレデリック・フォーサイスの自伝だ。
ほんまかいなと優秀な人間の波乱万丈の生き様だ。
英国生まれ、15歳で大学入学資格をとるわ、寄宿舎を抜け出して英軍パイロットの資格を
とるわ、ヒッチハイクでフランス、スペインを回りながら語学も身につけるわ、
何やっても天才ではないのか?
いつの間にかフランス語ベラベラ、スペイン語も、ドイツ語も。
それを利してロイターの特派員に、
パリでドゴール暗殺未遂事件に遭遇、これが後のジャッカルの日になるのか?
冷戦時代のベルリンへ、そして内戦下のビアフラへ。
小説を読むより面白いかもしれん、波乱万丈の人生だ。
中東へ、東ヨーロッパへ、
英国秘密情報部とも関係ができる。
それらのすべての経験がスパイ小説として生まれ変わる。
とても面白い。
多分、ほとんど読んでるけど又読みたくなった。
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ありがとうございました。