映画、「笑う故郷」を見た。

  • 2017年11月22日
  • 3人

とても素晴らしい。腹を抱えるほど面白くて、しかもシニックでビターな映画だ。
アルゼンチンの田舎の暮らしが長閑どころではないところがとてもいい。
この映画はテアトル梅田で上映されている。ロフトの地下なんでとても便利だ。
しかも、この映画館もネット予約できるんでそれも又とても便利だ。行く前から
チケットは確保できてるし座席も確保できてる。時間に余裕を見ておく必要が
ないんでとてもいい。
それで今回初めて気がついた事。
マイナーそうな映画のわりには開演を待つ人が多くて、時間がきたらどどっと入る
という珍しい状況の中でお客さんの動きを見てたら、入り口の壁際にある何かを
取りに行く人が多い。毛布でも借りに行くんかなって見てたら、座席に敷く補助
シートみたいなやつだった。あれって、前の席の人の頭が邪魔なときに自分の座高を
自動的にアップする道具なんかと気がついた。なるほど小柄な人や座高の低い人
には良い考えやなあって感心した。わしは背が低いけど座高は高いんで必要ない
かもしれんけど時々前にとても背が高い人とか大きな帽子をかぶった人とかが
座りはるとよう見えへんから右サイドか左サイドに首を伸ばして見んならんときが
あってその時は首が疲れる。
今回は前に座る人がいなかったんで望外のラッキーだった。
ダニエル・マントバーニはアルゼンチン出身の作家だ。彼はノーベル賞受賞の演説で
この賞をもらうのはうれしいけど、わしの進歩を停滞させるものでもあるなんて見栄を
きるようなちょっと独自なとこがあるおっさんだ。それでも巨匠なんで人気絶頂、
いろんなパーティ、イベント、講演会などなどご招待はひきもきらない。
しかし、どれもこれも行きたくない。
ところが、そんな中にアルゼンチン、ブエノスアイレスの郊外にある生まれ故郷、
サラスから便りが来た。名誉市民の称号を与えて栄誉を讃える歓迎会の催しをしたい
というのだ。
もちろん言下に断る。とおもいつつも何がそうさせたのか? 遥か昔の何かが、
懐かしい思い出が、こころをよぎったのか、つい行く気になってしまった。
そして、市長の出迎え、大げさな式典、講演会、わけのわからん美術展の審査員、
いろいろ盛大に準備されてる。気が進まんでも来てしまったら出らんとしょうがない。
歓迎されてるような微妙にずれてるような。
昔の恋人との再会。
旧友との再会。
うれしいような、何かずれて行くような。
彼の作品はほとんどが故郷の出来事がネタになっているようだ。喜ぶ人もいれば
不興に思う人も。
彼はボルヘスではない。
だんだん事態がややこしくなる。
そしてとうとう事件が。
美女と羊の脳とノーベル賞作家。
さてさてどうなることやら、すべては故郷の荒地の闇の中へ?
すべては彼のペンのなせる技か?
とても面白い。

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ありがとうございました。