映画、「ロスト・イン・パリ」を見た。

水墨画を描いてるけど、水墨画の世界にも抽象画みたいなのがある。破墨というのもある。
余白の美、描かずに描くという侘び寂びの極みもある。それらの違いはあるようで
ないようで定かではないようだ。わしらのような素人絵描きにはようわからんけど、
あんまり境目にこだわる必要はないと思う。興に応じてなんでもやったらええのだ。
本を読んでてもそんな感じを持つことがある。
メチャ抽象的でまったくわけわからんのもあるし、わけわからんけど心惹かれる
ものもある。あちらの世界を描きながらこちらの世界を現してることもある。
これまた幅広いわけのわからんさがあって本を読む楽しみも限りがないけど、
感受性を磨かんと入っていかれへんことも多々あって悩ましい。
映画の世界でもそう思うことが多々あるけど、好きな割には思い入れが少なくて
入り込み方も全く通りすがり的なんで、玄人の方の推薦でもわからんと思うことも
多いのが情けない。知識も感性も足りませんなあ。
でこの映画、前置きが長いのはわからんかったという印、わからんかったけど、
おもろかった。ストーリーがあるような、無いような、起承転結があるような
無いような。支離滅裂のようなちゃんと繋がってるような。そして全ての場面の
映像が美しい。

カナダの山奥、雪に埋もれた村で暮らすフィオナ。昔、忽然としてパリに去った
おばさんから郵便が来た。「助けて」。
大きなリュックを背負ってフィオナは行く。パリに行くしか無い。
叔母のマンションを訪ねても彼女は居ない。連絡もつかない。
うろうろとパリの街をさまよう?
ほんまに?
携帯で記念写真撮ってもらってたらドジってセーヌにドボン。荷物はなくなる、
携帯はなくなる。お金も着るものも・・・。
着の身着のままで彷徨うフィオナ。もらった食事券でマキシムへ。
フィオナの金を拾ったホームレスがその金でマキシムへ。
出会いはダンスに。
えっ二人はどうなるの?
官能的なダンスとエロチックな夢、この人たちメチャ動きが美しい。
そして、妖しい人やら、怪しい人やら、難儀な人やら不思議な人やらが入り乱れて
何が起こるか想定不能。
抱腹絶倒はせえへんけど、あらそうとつい見てしまう。
さて、おばさんはもしかしたら死んでしまった?
それは大変葬式会場に向かう。
もしかしたら人違い? ではどこに? いつのまにかホームレスと仲よしに?
遺灰ってどこに撒いてもええの?
水に溶けるエコな骨壷?
何やら不思議な世界?
さて、おばさんは見つかるのか?
フィオナはどうなるのか?
奇妙やけど、面白い。

で、全く関係無いけど、この映画を見に行って一番大きな収穫は、シネヌーボーの
向かいにある、「Cafe Accogliente」という喫茶店に時間つぶしで入ったけど、
その時飲んだインドネシアのコーヒーが素晴らしく美味しかった事。
ちょっと高いけどその値打ちはあると思う。
(又、ブログでレビューします。)

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ありがとうございました。