冲方丁、「天地明察」
映画があったのは知ってた、見てはないけど、話題になってたと思う。しかし、
原作本があるのは知らなかってある本を検索してる時にふと引っかかったんで
面白そうやんかと思って図書館で予約した。
安井算哲、碁界の名門安井家の次男のような跡取りのような不思議な男がいる。
又の名、あるいは後に正式名となるか、渋川春海とも名乗っているらしい。
碁の世界に飽き足らず、算法や暦法にも興味を抱き始めた。
そして、最近、老中の酒井雅楽頭や幕政改革の中心人物である保科正之らに密かに
目をつけられて人物評価をされているらしい。
そんな気配がある。
そしてとうとう命が下った。改暦事業に取り組むのだ。
まずは測量から、日本全国を巡って正確な緯度経度を算出する。
そこまでは順調やったけど、そこから先が苦難の連続だ。どこにでも保守派がいる。
制度には利権もからんでいる。変わると困る人達がたくさんいるのだ。
それに、正しい暦とは何なのだ。どうやって証明する?
そして算学塾は? 盛り上がってるか?
関孝和は応援してくれるのか?
春海の恋はどうなった。
算法の世界から天文学、日食、月食と次々に面白い。
しかもそれで誰が儲かるという話まである。
切腹したら誰が掃除する?
いやいやいろいろ楽しい話が盛り沢山だ。
昔読んだ、長井義男、「算学奇人伝」も面白かったけどこれもとても面白い。
理論的な部分ではほんまに? という面もないではないような気もするけど、
面白かったらそれでええやんかと思う。
一気に読んで楽しめる本だ。
ロバート・ファン・ヒューリック、「江南の鐘」
大分前に映画館で予告編を見てたら香港映画か何かでこの人のシリーズのうちの
どれかが映画化されていた。マイナーな人かと思てたんやけど結構有名な人やったんかと
驚いた。
この人がどの程度中国に関わってて、どの程度詳しいんかはようわからんけど、
荒唐無稽なんちゃうんと思いつつもつい読んでしまう。何となくありそうでなさそうな、
なさそうでありそうな話がミステリーとして結構面白くしあがってる。何か
中国の古典なんかにネタ本がありそうやけどそれはようわからん。
ディ判事は次に任地、蒲陽に赴任したばかりだ。
引き継ぎ書類を見てみよう。気になる事件がある。ある晩、娘が若い男に襲われて
殺された。話は簡単そうだ。しかしどこか気になる。男は娘といい仲だったらしい。
それが何で殺さんとあかんことになったのか? 色々調べてみると謎は混迷してきた。
また、地元の名刹である普慈寺というのもどこか胡散臭い。賄賂で抱き込もうと
してきてるんとちゃうやろか? なんで?
ここは子授けの神様がいてはるらしい。
不妊の女が一晩泊まると、間違いなく子宝に恵まれるという。
間違いなくおかしい。
しかし、その部屋は外から封印されているという。
本当に仏の力が授かるのか?
おかしい?
待ちの外れの廃屋の中で何やら妖しい集まりがあるという。
妖しい。
そして、ディ判事の推理がきりりと光るとすこしずつ謎がとけて、色んな不思議が
つながり始める。
さて、総ては無事に解決するのか?
とても面白い。
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