九度山暮らしのある日、珍しい古木、巨木に出会った。

九度山の隠れ家暮らしの時にも相変わらず朝晩のウォーキングは続けている。
面倒くさいんでそれぞれにコースを決めたらいつも同じとこばかり歩いてる。
そうなると、唯でさえ顔をうつむき加減で歩いてるんで、見慣れてた景色は見る
という集中力を生まないんで何もみないで時間だけ経っていることが多い。あるいは
なにか妄想ではなくても下らない考え事をしながら歩いてて、どっかに当たりそうに
なったりこけそうになったりすることさえありがちだ。
それでも時には同じ景色のはずやのにおやっなかなかええやんかとはっとするような
ものに気がつくこともないではない。めったにないけど。
もともとそんな目立ったモンがあるはずが無いとこを歩いてるんやから当然ではある。
で、今回はこんな木を見つけた。

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どこにでもありそうな唯の木やんかと言われればそれまでやけど、ばんっと左右に
張り出した枝の勢いがとてもええ感じだ。バランスも良い。こういうのをよう
覚えといて絵の中に登場ささんとあかん。

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看板を見てみると、栴檀、古名=おうち、樗、楝とある。「栴檀は双葉より芳し」の
栴檀は実は香木白檀のことであってこれではないと説明に書いてある。この木は、
和歌山が生んだ尊敬すべき南方熊楠がこよなく愛した木らしい。
6月には薄い紫の繊細な花をつけるらしい。もうすぐやんか、忘れずに写真を
撮りにこよう。樹齢約130年らしい。

その後、花が咲いているのを見つけた。やはり看板通り、薄紫の繊細な花やった。

儚く可愛らしい。そしてやっぱりとてもいい香りがした。

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もひとつ見つけた。
これはお寺の中にあるんで、いろんなお堂や仏道がいっぱいあるのに気が取られて
気がつかなかった。よう見たら、なかなか面白い形の木ではないか。

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これも覚えといたら絵に使える形をしてる。グングン上に伸びてる感じが力強くて
良い感じだ。
看板を見てみよう。

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樹齢約350年とある。えらい立派な木ではないか。
昔は大銀杏の影に隠れてたんでよう大きならへんかったけど大銀杏を切ったら、
ドンッと伸びたという事だ。なぜかおかしい。
やっと出番がきよったんや。
それでびゅっと上に行った。
黄色いのは花が咲いてるんかと思ったら枯れてるだけやそうだ。
今や、仏像やお堂とええバランスの存在感になってる。
今日の話はあと一つ。
緑の桜だ。
もうここらへんの桜の満開も過ぎて、殆ど散ってしまったころ、いつものウォーキング
のコースに緑の桜が咲いての知ってる? って教えてもらったんで早速見に行った。

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なるほどうっすら緑色に透き通ったような綺麗な桜が咲いている。
昨日はもっと緑やったでという。

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ネットで調べるとこういうのは確かにあって、目の前にあるんやからあることに
間違いはないんやけど、御衣黄(ギョイコウ)と呼ぶのだそうだ。あまり知る人は
少ないらしく、竹藪の外れのうち捨てられたような崖のところにひっそりと咲いていて
満開になったからと言って人だかりがするようでもない。
こういうのが奥床しくてわしらの清らかな心根を目の当たりにするようではないか。
それはともかく珍しくてええもんを見つけた。
来年も忘れんと満開を見に来んとあかんのだ。

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ありがとうございました。