イザベラ・バード、「中国奥地紀行」
今回の雲南旅行の仲間から教えてもらった本だ。恥ずかしながらこの本の存在を
知らなかった。早速読んでみた。
19世紀末の有名な旅行家の有名な旅行記だ。イギリス始め列強が、あるいは
日本が清国を蝕んでいた頃の話だ。
租界にはそれなりに外国人が沢山いたけど奥地に行ったら居たとしても宣教師だけと
言う頃だ。そんな時代に女1人、勿論案内人みたいな人を雇ってのことではあるが
たった1人で奥の奥までどんどん旅をするという凄まじさには思わず心打たれる。
持ち物はわずかな着替えとカレー粉(これが必須らしい)、カメラと現像道具。
なんとすごい。
コースはこういう感じ、
上海から杭州を通って鎮江へと長江を遡っていく。
このあたりは行ったことがあるんでとても興味深い。それからどんどん長江を
上って行くんやけど、もう今では河の流れも変わってるし、ダムもできて、この
頃のような旅もできへんし、こういう町も無くなってしまってると思う。
でもこの当時は四川省までの河の旅は凄まじかったのだ。急流渦巻く中を、あるいは
手で漕ぎあるいはロープで引っ張り、天気が悪かったら何日も停滞するし、
時には人も荷物も破損して流される。こういう風景はいまではもう見られない。
残念だ。そして行く先々で写真を撮って現像して残している。こういう記録は
とても貴重だとおもう。こう言う旅を延々と続けてとうとうチベットの国境に
入り込むところまで行ってしまうという強烈さだ。
日本、韓国旅行記も読まんとあかんのだ。
陸游、「入蜀記」
上の「中国奥地紀行」に参考文献として出てくる本だ。わしの大好きな詩人が
四川省に赴任するときの紀行文で、四川省までは上記と殆ど同じコースを辿っている。
ただし、陸游は政府の偉いさんであるし、高名な文人であるんで行く先々で、
そのちの偉いさんの歓迎の宴があるし、船や宿泊にしても上記とは段違いの
旅になっている。そやから旅の冒険談というよりは、寄り道した土地、土地に
まつわる先人の詩歌や墨跡についての知識が紐解かれるのをたどるというのが
楽しみになるということで、また、別の興趣を楽しみながら本を読むことができるのだ。
どちらも同時に読むととても面白い。
宇土寿和、「頑張れ大風呂敷旅行屋」
20代の若さで仲間たちと旅行会社を立ち上げた。他所と同じことをやってたんでは
ビジネスはとても太刀打ちできない。
特別な旅行を企画する会社にしたい。
ある日、健二はある日、全国コンクールで金賞をとった女子高校マーチングバンドと
出会う。そうだ、彼女たちを世界に行かせてあげたい。
しかし、世界大会はどこであるのだ? そんなところにいきなりエントリーできるのか?
正規の招待状はもらえるのか? 予算もないのに旅行費用はどう工面するの?
最初から出来へんと諦めてしもたら何もできへん。
やってみたら方法が見つかるかも?
さあ、果たして世界コンクールに出場できたのか?
次はアフリカへ?
夢は広がる。
軽くて、愉快で、とても面白い。
旅の本としてはかなり物足りない。
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。