最近読んだ本、「宝島」、「クジラアタマの王様」

  • 2020年2月14日
  • 22人

真藤順丈、「宝島」

久しぶりに骨太の本を読んだ。すごい迫力でグイグイ迫ってくる。
舞台は沖縄。返還前の基地の街。
獰猛な男たちが深夜の基地の中を駆け抜ける。「戦果アギヤー」を携えて闇の中から
帰ってくる。
われらがオンちゃん。彼が走るところに必ず大戦果あり。
貧しい惨めなわれらの希望の星だ。しかし、日に日にアメリカーの取締は厳しくなる。
戦果は細るばかり。
ある日とうとうオンちゃんたちは最後の勝負に出た。一世一代の大勝負だ。
果たして何を狙っているのか?
そしてその夜。予期せぬ何かが起こった。
アメリカーの憲兵の待ち伏せか?
ライバル登場か?
裏切りか?
必死で逃げるオンちゃんに何が起こった? 忽然と消えた。
生き残ったグスク。
オンチャンをしたうヤマコ。
返還前の混乱の沖縄の街。オンちゃんを探す。死んだのか。生きているのか?
手がかりすらない。あのオンちゃんが死ぬはずがない。
嘉手納の「戦果アギャー」の生き残りたちにも厳しい生活が待っている。
刑務所の中でグスクがカチャシーを歌いおどる。
かりゆしぬ遊(あし)び 打ち晴りてからや
夜(ゆ)ぬ明きて 太陽(でいだ)ぬさ 上がるまでぃん
夜ぬ明きて 太陽や 上がらわんゆたさ
巳午時(みんまだち)までんさ 御祝(うゆえ)さびら
クブラとは何者?
Aサインで働く女達。
アメリカーの血が流れる不幸な少年。
そして米軍機墜落に端を発した基地返還闘争。
彼らに平和は来るのか?
魂まで踊りだすカチャーシー
あさきみよう!
おいらたちはどこに行くんだろう。
どこから来て、どこに向かうんだろう。
この世のニライカナイを見つけるのか、元いた場所に戻るのか。
とても面白くて、哀しい。とても哀しい物語だ。
一気に読んでしまった。

伊坂幸太郎、「クジラアタマの王様」

コミックとの合作めいた不思議な構成の物語。
第一章 マシュマロとハリネズミ
謎の鳥、ハシビロコウとはなにか?
広報部に勤める岸、栩木が考えた新商品マシュマロの企画。
有名タレント、小沢ヒジリがほめて話題になる。
ところが画鋲が入るクレームがでて一気に劣勢に。
それは政治家の妻の狂言なのか?
第二章 政治家と雷
池野内征爾は都議会議員、狂言の妻の夫だ。
金沢のホテルの火事の話で池野内とつながる。
共通の思い出は何を意味するのか?
夢の話が行き来する。もしかしたら戦いに勝つとよくなる?
短期的にはつらくても大局的にはいい結果になる?
宮城にあるサンファンランドでのイベントで俄に嵐。クマとトラに襲われる。
夢で負けたから?
第三章 炎とサイコロ
第四章 マイクロチップと鳥
池野内襲われる。
元妻登場。
夢で勝てば現実で勝てる?
夢かマコトか、マコトか夢か?
とても不思議な物語。
とても面白い。

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ありがとうございました。