最近読んだ本、「複製された男」、「ロケンロール空心町」

  • 2017年1月28日
  • 2人
NO IMAGE

ジョゼ・サラマーゴ、「複製された男」
テルトゥリアーノ・マッシモ・アフォンソ という極々平凡としかいいようの無い
名前の男がいる。どこが平凡なんやねんと思うけど設定がそうやからしょうがない。
テルトゥリアーノ・マッシモ・アフォンソ は仕事も極々平凡な歴史の教師だ。
あんまり暇やから同僚の数学の教師に勧められてレンタルビデオでも見ることに
した。「たゆまぬ物は狩を征する」 、わけのわからんそうな映画だ。一晩かかって
だらだらと見た様な、見なかったような、しかし、何か気になる。
どうも気になる。
最後の方でホテルのフロントで鍵を受け渡しするホテルマンの顔をどっかで見た
ことがある。というか自分そっくりのようなきがする?
何度も見直す。絶対そっくりだ。しかし、そんなはずはない。世の中によく似た
人はいるもんだというけどこれほどそっくりな人がいるはずがない。テルトゥリアーノ
の自分探しが始まる。と言っても自分でない自分だ。まず、この映画を作った映画会社
のビデオを全部借りて全部見る計画を立てる。
果たしてその俳優の名前はわかるのか?
そういう人物は実在するのか?
もし、名前がわかって実在したら会うことができるのか?
それにはどんな意味があるのか?
その男と会ってどうするのか?
最初はわけのわからん話やなあってダラダラ読んでたけど途中から俄然おもしろくなってきた。
相当シュールな話だ。
恋人マリア・ダ・パス との関係はどうなってしまうのか?
アントニア・クラーロ とその妻エレナ とはどうなる?
とてもシュールで面白い。

hon170127-1

中場利一、「ロケンロール空心町」
図書館に本を返しに行って、手ぶらで帰るのもなんやなあと思いつつ、返却本を
積んだコーナーを見るともなく見てたらこの本があったんで、空心町という言葉に
惹かれて読み始めた。
空心町か、わしのロケンロールな青春の一幕もあったような気がするなあ。
ようわからんなりにおもろい人たちと知り合った。そのうちの1人とは長い間
友達として交流があったけど、あるとき突然脳出血のような発作でほぼ全身不随に
なってしまった。その後わしの中では心痛む申し訳ない気持ちばかりがのこる
かすかな交流のあと彼は亡くなってしまった。
それ以来、空心町ということばには胸疼く反応があるようなのだ。
この本は、そう言う話と全く何の関係もない、軽い、軽〜いロケンロール話なのだ。
ジュンとマルーンはあても根拠もない夢をかかえて大阪に出てくる。
しかし、いつまでたってもうだつがあがらない。
マルーンはロケンロールの天才かもしれん。いつか日の目を見れそうだ。
それに比べてジュンはその日くらし、バイトの金も底をついたある日、大家の
不動産屋の社長はどうやらその筋の関係者らしいんやけど、金を払うか、痛い目に
会うか、やばそうなバイトをするかどうやねんといわれる。
もちろんやばそうでもバイトをするしかない。それはえらいお金になる。
さて、ジュンはどうなるのか?
恋人チャコとのあいだにアズミが出現、ピンチを招くか?
マルーンはとうとうメジャーデビューできるのか?
他愛もないようで、けっこう面白い。
広島弁と河内弁が入ってくるのがなかなかええ感じだ。

hon170127-2

ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村 旅行ブログ アジア旅行へ
にほんブログ村

ありがとうございました。