最近読んだ本、「流星ひとつ」、「1984年」

  • 2014年3月26日
  • 2人
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沢木耕太郎、「流星ひとつ」
この本、何について書いた本かわからんまま、沢木耕太郎作ということで読む
ことにしたやつだ。
開いてみて驚いた。藤圭子へのインタビュー記録の本だった。
今頃って思たあと、やっぱり今かと思った。読んだあと、そやね、今やからや
なんやねと思った。わけわからんけどそう思った。
有名スターの暴露話とは全く違う。インタビュー仕立ての小説でもない。イン
タビュー内容を編集者や作家が適当に編集して、何らかの方向に誘導してるよ
うなものでもない。
著者の問いに淡々と答える藤圭子の肉声が聞えてきそうな実にシンプルな内容
なのだ。それでいて、この人の人生のすさまじいドラマが見えてくる。
素晴らしいインタビュー本だと思う。
ホテルのロビーでウォッカをちびちびと飲みながらの二人の会話が進むにつれ
て藤圭子の真面目でひたむきな人間性が浮かび上がってくる。
こんな人やったんかと刮目する思いだ。
盲目の母と、DVを振う父とドサまわりの芸人暮らし。そんな中からスターに浮
かびあがる。お金が一杯入ってくる。恋愛する。結婚する。そしてトラブル、
やっかい事いろいろ。おきまりの芸能人のおごった暮らしの行く末かと当時は
そんなふうに興味も無くみすごしてたけど、この話を読んでたら全然違うのだ。
そして、彼女曰く。
一旦頂上まで登りつめたら、あとは2つの選択肢しなかい。新たな飛躍を見つ
けるかころげおちるかだ。
そして彼女は引退を選んだ。傷めたと思った声帯の手術が致命的だったことに
気がついたのだ。彼女らしい声をなくしてしまった。
すごい話やねえ。
この話は引退したとこまでだ。その後の人生について語られることは無い。
しかし、これを読んでたら、夫や娘が本当に彼女を理解してたんやろかと思って
しまう。

hon140324-1

ジョージ・オーウェル、「1984年」
前に村上春樹の「1Q84」と言う本を読んだとき、題名の連想から、ジョージ・
オーウェル、「1984年」と何らかの関係があるんやろって思った。「1Q84」に
特別感動したわけではないけど、例えばパロディやったり、何か共振するよう
なしかけがあったりするんかもしれんという興味もあったけど、元の本があま
りにも有名な本なんでこれを機会に読んでみようと思ったのだ。
読んでみた感想では、理解不足なんかもしれんけど、両方を比較して論じるよ
うなものには何も気がつかなかった。
これはこれだ。
この話、1884年頃、100年後の世界を見据えて書いたという。すごい慧眼やと
思う。全体主義的な共産主義の行く末を懸念して書かれたやろうけど、ある意
味今の世界の状況にあてはめて考えられそうなところが多々あると感じた。
見えないところでも常に監視され、管理されて誘導されている。
恐ろしい。
どっかの隣国ってこんなんやでって言うてるだけでは済まなさそうやんか。

hon140324-2

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ありがとうございました。