最近読んだ本、「書店主フィクリーの物語」、「村上海賊の娘 上、下」

  • 2017年1月11日
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ガブリエル・ゼヴィン、「書店主フィクリーの物語」
ほのぼの暖かくて、ユーモアたっぷりで、わくわくして、ちょっと洒落てて
そして少しもの悲しい、それに謎解きもある、とても面白い本だ。
A・J・フィクリーはアリス島に住んでいる、ちょっと変わり者、本に関しては
少しエキセントリックではあるがこだわりのある考え方を持った本屋の主人だ。
しかも、最近愛する妻を亡くしてふさぎ込んでいるところだ。
アメリア・ローマンは書籍の販売会社に勤めていて、最近、フィクリーの店の
担当になった独身の娘だ。そしてあるひ書店主フィクリーのところに商談に来る
ことになる。
フィクリーの日々は哀しみと投げやりに満ちている。仕方ない。
そしてある日、事件が起きる。
二日酔いに朦朧と目覚めたフィクリーの部屋から「タマレーン」が忽然と消えて
いたのだ。「タマレーン」というのはエドガー・アラン・ポーが18歳の時に
書いた本でとても貴重な稀覯本だ。彼の唯一のお宝と言えるやつが消えたのだ。
一体誰が盗んだ? 誰が知ってた? 誰にそんなチャンスがあった?
そして警察に届けて、調べてもらってそのどさくさに、フィクリー書店に赤ん坊が
置き去りにされていた。
一体誰が?
何の為に?
本の売り込みに来ていたアメリアも巻き込まれる。
さてこれからどうなるのか?
事件が事件を呼ぶ。
哀しいはずの話が心温まる話に変わっていくかもしれない。
赤ん坊の母親は誰なのか?
何故子供を捨てたのか?
何故フィクリー書店なのか?
アメリアは結婚するのか?
そして又一つ物語が生まれる。
とても心温まる本だった。

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和田竜、「村上海賊の娘 上、下」
本の表紙の様な内容でもあった。劇画のような、派手でかっこよくて、波瀾万丈、
そんな話だ。爺さんのわしには感性的にちょっとついていけんとこもないではない
けどまあとても面白くもある。
村上海賊は瀬戸内海の伊予の海に根拠をおいて海上交通を支配している一族だ。
時には平気で乱暴狼藉を働き積み荷の略奪もする海兵軍団だ。
その一族の長の娘に景という女がいる。見るからに屈強で怪異な醜女と言われて
いるが、その時代の基準で言う時の話で今でいえば彫りの深い洋風の美女と表現
されてもおかしくないような姿形らしい。
しかも、男まがいの海賊働きが大好きということなのだ。
折から、戦国時代の真っ只中、信長の本願寺攻めが風雲急を告げているころだ。
籠城で困窮した本願寺顕如から毛利に救援依頼の使者がくる。
毛利側は村上海賊を使ってそれに答えようとするが、実行にはためらいがある。
そんなある日、景が単身、海賊船を駆って難民となった本願寺門徒の源爺と留吉
を送り届けるべく出発してしまう。
そして信長の本願寺攻めの戦いに巻き込まれてしまうのだ。
攻めるのは信長の正規軍に加えて泉州海賊がいる。
守る側は烏合の衆ながら命をすてた数万の信徒と雑賀衆の鉄砲部隊を率いる
鈴木孫市もいる。
眞鍋七五三兵衛、その父、道夢斎、泉州海賊も乱暴だがかっこいい。
この戦いでどんな活躍をするのか?
雑賀衆との戦いはどうなるのか?
景の運命は?
そして村上水軍はこの戦いに参加するのか?
鬼手とは何か?
とにかく派手で軽くて面白い。
泉州弁が活躍するのもとてもいい。

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