最近夢中で読んだ本、北方謙三、沓掛良彦

  • 2007年5月22日
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北方謙三 「水滸伝 七」
このシリーズはあまりにも面白いので、出る度に直ぐ買っています。
いよいよ梁山泊と宋の政府軍との戦いが始まってきました。
梁山泊の中心人物の一人、宋江をなんとか殺したい政府軍は、旅を続ける宋江の居所をとうとうつきとめます。
山に逃げ込んだ宋江一行人に対し、何と3万以上の軍で攻めるのです。梁山泊に対しても通信を断ち、救援できないように万全の構えです。
一気に攻め潰されるかと思うと、なかなかそうではありません。
山上にこもった5人は山を要塞化していきます。石塁を作るのです。
この石塁に凄い仕掛けがあります。
石塁を支えるある一箇所の石を抜くと、石塁全体が一気に崩れるのです。この仕掛けを散散に使って、一度に数千人ずつの攻城軍をほうるのです。この間に梁山泊から救援が来て・・・・
わくわくですね。
先日は、この主舞台の近くの洛陽まで行きました。
昔、中原と言われたところも通りました。
広漠とした平原を山が取り囲んで、いかにもといった景色でした。

沓掛良彦 「壷中天醉歩」
酒を謳った漢詩を集めた本です。
酔っ払って、ふわふわの気分が好い時に、さらりと漢詩などが一首浮かぶとかっこいいですね。
古今東西、詩は酒と共にありですよね。
でも、酒なら好きに飲めるけど、詩は簡単にはできません。
残念ながら、そんな学問も才能も持ち合わてないのです。
それで、好きな詩を口ずさむのがせいぜいという事になってしまいます。
この本には、知らなかった詩、知ってても忘れていた詩が沢山載っています。改めて酒興、詩興という事を思います。

例えば、鬼才と謳われた李賀の詩はどうでしょう。

李賀 将進酒
瑠璃鐘 琥珀濃
小槽酒滴真珠紅 烹龍炮鳳玉脂泣
羅意

瑠璃鍾 琥珀濃
小槽酒滴真珠紅 烹龍炮鳳玉脂泣
羅幃繍幕圍香風

吹龍笛 撃鼇鼓
皓歯歌 細腰舞
況是青春日将暮 桃花乱落如紅雨
勧君終日酩酊酔 酒不到劉伶墳上土

・・・
龍を煮、鳳を焙って食べてしまえ!
・・・
人生は短いのだから・・
君に勧む、終日酩酊して酔え!
・・・

言葉も酔いも奇であり、華麗ではないですか!

hon070522

毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。