九度山は柿で有名なところだ。秋の終わりそうで冬が始まる頃はちょうど柿の
季節だ。町の中をウォーキングしてると、あちらにもこちらにも柿畑があって
どの木にも大きくてがっしりしたオレンジ色の実がたわわに垂れ下がり始める。
柿の木はしなやかで力強い。そしてしばらくしたら、あちらからもこちらからも
町の選果場に獲れたばかりの柿を運ぶ軽トラックが現れては消えて行く。これは
すごい量や毎日毎日なんぼでも獲れるんやなあ。食べきられへんやんかと思う。
しかし、それはお店で買わんとわしの口には入らへん。その頃には町の果物屋
さんや(そんなもんは最近あるんやろか)スーパー、道の駅に大振りの富有柿
がずらりと並んでいる。みるからに美味しそうで誰でも買いたくなる。
まして、この頃は大河ドラマ、「真田丸」の佳境に入った頃だ。誰もが競って
買い求めている。
すばらしい。
そして、ウォーキングの道すがらには選果から漏れたと思しき柿が格安で露天に
並べられるようになってくる。これが又、安くて美味しい。決して形が崩れてる
わけでもないし、どこか痛んでるわけでもない。
これも又、観光客に大人気でみなさん町歩きのかたわらに何個も何個も買って
はる。こっちは更にお得やから当然だ。
そして、柿の収穫もほぼ終わる頃、小さいながらまだ実をつけた柿の木を見る
ようになる。実はこれは食べられない渋柿なのだ。そやからだれも手をつけない。
ひっそりと枯れて行く運命にあるのだ。
哀れな柿の木なのか?
実はそうではないのだ。これも甘くして食べる方法があるのだ。
干し柿にして食べるのだ。
今では干し柿は商用というよりは家庭で作られることがほとんどだ。渋柿を剥いて
焼酎で洗って、へたに焼酎をつけて、寒い風に晒して3週間ほど干す。干からびて
真っ黒になったころ出来上がりだ。
ねっとりと甘くてとても美味しい。日本のスローフードの出来上がりだ。
日本の冬の風物詩だ。
もちろんこれがお正月のお飾りにもなるのだ。
確かに一種のドライフルーツと言ってしまえばそれまでなんやけど、渋くて食べられ
へんもんを自然の力で美味しいもんに変えてしまうという魔法は日本だけの知恵
ではなかろうか?
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ありがとうございました。