米澤穂信、「真実の10メートル手前」
この人の「王とサーカス」という本は丁度ネパール旅行に行ったばっかりの
時期やったんでカトマンズの様子を懐かしく思い出しながらわくわくして読んだ
記憶がある。それでこの本を知って早速読むことに。
6つの短編集だ。
どれにもお馴染みの太刀洗女子が記者として登場する。
真実の10メートル手前
新興企業が時代の波にのってネット上で大躍進した。しかし、何故か突然の
破綻、そして広報を担当していた社長の妹、花形の女性、真里が失踪。
太刀洗がそれを追う。手掛かりは多くない。果たして彼女に行き着けるのか?
そして、それで何がわかるのか?
彼女は生きているのか?
正義漢
先日、電車を待ってた人がホームから突き落とされたというニュースがあった。
本の中の話ではない。こんなことが実際に起きるんやと驚いたし、恐ろしかった。
そんな話がこの本の中でも。
本当にホームから落ちたのか? 誰か突き落としたんと違うやろか?
それは何故? 恐ろしい結末が。
恋累(かさね)心中
若い男女の悲しい心中? どこかおかしい。
理由はありそうだ。 しかし方法がわからない。
驚きの結末が?
名を刻む死
孤独死の陰に何があるか? 存在を認められたい?
ナイフを失われた思い出の中に
妹殺し? 身代わり? しかし知って欲しい ?
綱渡りの成功例
感動の災害救助の裏側 にあるもの。
鋭い視点、意外な展開、どれも説得力があってとても面白い。
けど短編集で小出しするよりは、材料を重ねて大きな小説を書いてほしいなあって
思った。
崔実、「ジニのパズル」
アメリカ、オレゴン州の高校に日本からホームステイ留学しているジニという女の子は、
韓国人だ。そして彼女の行動は学校になじまない。もしかしたら退学になってしまう
かもしれない。
何故?
どうも東京であった出来事が彼女の心に大きな傷を負わせているようだ。
中学校から朝鮮学校に通う様になったジニ。
朝鮮語ができないためになかなか居場所がみつからない。
そして、朝鮮学校に通う暮らしは日本の社会からもいろんな圧力がある。
そしてある日、テポドンが発射された。チマ・チョゴリで街を歩いていたら
警察官となのる人たちにひどい目にあった。
もうどこにも居場所はないのか?
ジニの葛藤は続く、アメリカでも?
そして?
オレゴンの自然の風景とホームステイ先のお母さんがとても良い。
彼女は果たして癒されるのか?
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ありがとうございました。