無用の長物かもしれん、しかし捨てるわけにはいかん。とかなんとか思いつつ
1メートル強もある柱時計を長い事家のすみにぶら下げてた。いっそ壊れてしまえば
諦めがつくと思いつつ置いていた。不思議なことに全然壊れへん。
セイコーPA603と裏に書いてあるけど、幻の逸品か、名器かどうかはわからへん。
たぶん普通のやつやと思う。
買ったというかお祝いにもらったのがもう40年前になる。10数年前に一回
オーバーホールに出したことがある。確かゼンマイがかからんようになったと
思う。それ以来全然故障知らずだ。ゼンマイを一杯に巻いたら20日くらい持つ。
ゼンマイは左右に一つずつあって、右側が時計の動力、左側がボンボン鳴るやつだ。
ボンボン鳴るんは時には面白いけど、大体はうるさい。そやから普段は左側は
巻かんようにしてる。どっちも巻くのに結構力が要るんで、指先の力を鍛える
役にはたつかもしれんけど何につかえるかはようわからん。
なんだかんだと日の目をみないで長い時間がたってしまったけど、九度山で隠れ家
暮らしをするようになってやっと表に出た。けど大きな柱がでんとあるわけや
ないし、自由な壁スペースが沢山とれるわけでもないんで掛ける場所は限られてる。
最初に入り口近くにかけてみたらガンガン当たる人が多い。いつか大きいやつが
ガタンと外れてしまうかもしれんと場所を変えた。
ある日、ふとしたことで知り合った人が柱時計のコレクターだったというのが
わかった。いろいろ珍しい時計のコレクションの写真を見せていただいた。
イギリスやら、アメリカやら、大きいのやら、小さいのやら、古いのやら、新しいのやら、
こうなると骨董品のジャンルになる。家の中にどれほどあるのやら、そんだけ
大きな家やからええんやろけどあっちにもこっちにも時計があったら、それぞれの
時間合わせって大変なんちゃうやろか?
どうでもええって言うても時間が違うてたら気になるやろし、一日中時計見て
合わせてやんとあかんのとちゃうやろか?
余計な心配かもしれんけどコレクターも大変やなあ。1台どうですか? って
言われたけどわしは骨董を趣味にするほどお金もないんで丁重にお断りした。
それにしても日本の時計の技術って素晴らしい。こんだけ長期間使ってもビクとも
しいへんとは。
多分、この家でわしより長生きすることやろと思う。
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ありがとうございました。