とても良い映画だ。
真っ暗な舞台に一筋の光がさしている。その先に1人に少女が立っている。
一呼吸あって、おもむろに声をだす。歌とも祝詞と祈りの言葉とも思える響きが
静かな会場に吸い込まれていく。
地神バルキを読んでいるのだ。神の力を借りて邪気を悪疫、悪疫、悪霊を祓う
べく少女たちが静かに踊り始める。そして力を得て踊りはだんだん早く、力強く
なっていく。
そしてまた少年が神を讃える謳が響き渡る。少年も少女も一糸乱れぬ輪になって
くるくると舞い踊る。その動きは力強くかつ優美だ。ドラがなる、太鼓が響く、
笛の音が聞こえる。舞いながら頭の帽子につけた長い布がひらひらとたゆたう。
その動きにも不揃いはない。とても言葉も衣装も異国のものなのにいつしか、
そうとは気づかず、ぐんぐんと引き寄せられ、入り込んで行く。確かに遥か昔
は朝鮮半島も日本も行ったり来たりの混ぜ混ぜの時代を多く過ごしてきてると
思う、何ら違和感がなくても何の不思議もないと思う。そうして、感動のうちに
舞台は終わる。場所は茨城県、全国高校総合文化祭の会場だ。
そこに10年連続大阪代表で出場した建国高校伝統芸術部の学生たちの奮闘の
物語だ。記憶は極めてあいまいやから映画ではこんな演技やったんかどうかは
自信はないけどまあだいたいこんなぐあいだ。
ブラスバンドやバトン、ダンスなどなどこういうドキュメンタリーがよく作られて
いてたまたまそれを見る機会も多い。熱血あるいは、鬼の先生、指導者がいて
その人に引きずられながらいつのまにか必死でのめり込んでいる自分がいるという
ようなステレオタイプ的な流れではあるけど、そこに息づく若者たちの存在感に
圧倒されてそんなものは吹っ飛んでしまう。
何もできなかった、揃わなかった若者たちが、苦労しながら少しずつ、前に進んで
いく、それを引っ張る先生はまるで鬼のようだ。
怒られて、どなられて、突き放されて、泣きながらついていく。
もうやめようか? どうしよう、いつまでたってもできへん。
やめるんか?
やっぱりやろう。
自分との戦いでもあるし、先生の力でもある。
この先生、とても面白い。言葉は鬼のようではある。
しかし、この人、絶対優しいわ、絶対ゆるしてくれるわって、そんな顔をしてる。
ええお顔だ。
熱く燃える青春ってええですなあ。
是非、劇場で泣いてみて下さい。
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ありがとうございました。