ウィリアム・トレヴァー、「異国の出来事 」
ウィリアム・トレヴァー・コレクションの中から旅や異国に関する短編を選ん
で編集した本らしい。
古都エスファファーンから物語が始まる。
旅に来た男と女が、あるきっかけで話をするようになる。
もっと親しくなりたい様子の女。つれなくする男。
決定的な瞬間が、でも噛み合わない。あの時、部屋に誘えばよかったかな?
でもできない。戸惑いと後悔と自尊心が立ち上がってくる。
サンピエトロの煙の木。
サンペトロアルマーレに滞在している母と僕。病弱な僕の為に夏期療養に来て
いるのだ。母に恋人がいるのか?
版画家。
ひそかなふれあい、二度とチャンスは無い。
家出。
ある日突然夫が家を出るという。女ができたのだ。
仕方なく妻は自立を目指す。やっとなんとか食べれるようになってきた。
ある日突然夫が帰ってくる。病気になって、女に捨てられたのだ。
理不尽が立ち上がる。
お客さん
ギーっは年に一度夏の終わりに島を訪問する。
そして滞在が終わりに近づく頃ビュイソネ夫妻を食事に招待する。
酔いつぶれた夫、送っていった彼に妻は行かないでという。
それからどうなった。?
2人の秘密。
3つどもえ
貧しい夫婦は、援助を受けているおじさんに旅行をプレゼントされた。
ヴェネツア5連泊の旅行だ。きままにホリデーというツアー。
ついたところがなんとスイスだ。エーデルワイスホテルへようこそだって。
いったいどうなってんの? いったいどうなるの?
ミセス・ヴァンシッタートの好色なまなざし
コートダジュール、フェラ岬。ハリーは真面目一本の男。みなから若干馬鹿に
されている。妻は好色女? 灯台で若い男と会っている?
そして、恐るべき秘密がわかる。なんとハリーは・・・。
てなような話。
人間模様を描くのがとても上手い。
上質の短編集だ。
ユン・チアン、「西太后 下」
ワイルド・スワンの作家が西太后の真実の姿を掘り起こして行く。
今迄の儚い知識ががらがらと覆っていく。光緒帝が暴君、西太后に逆らって、
必至で近代化への改革を進めた? それを命をかけて助けたのが康有為や、
梁啓超?
ちゃんちゃらおかしいようだ。
戊戌の変法って何なんだったのだ?
少なくとも西太后が近代化への改革を戸惑いながら、失敗に学びながらも進め
ていたことは間違いないらしい。
列強にほしいままに侵略された食い散らされ、挙げ句の果てに日本にも敗れる。
ロシアもからんでくる。そんな中で、外国人の力も借りながら、軍を強くし、
外交交渉でなんとか立場を守ろうとする。必至な姿が見事に浮き彫りになって
くる。
彼女ならびに清国に一生懸命力を貸した外国人も沢山いたことがわかった。
一読の価値がある本だと思う。
とても良い本だった。
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ありがとうございました。