最近、用があって足繁く九度山の町に行っている。それは私用であって、観光
ではない。しかし、行く度に驚くのは、観光客が激増しているということだ。
どうも大河ドラマの影響らしい。
小さな町の小さな路地の隅々まで、地図とカメラを片手にリュックを背負った
老若男女というよりは、殆ど老々男女があちら、こちらと行っては説明を読み、
写真を撮る。これだけ人が集まってるのにお金を落としてもらう受け皿が少な
いのは勿体ないなって思うけど、俄にそういうわけにもいかんのやろう。
特に土日なんかは、旗を持った添乗員さんに従って団体さんが何組も歩いては
るのもいとおかしい。
そんなええとこやったんかいな。
で、そんなある日、町のなかを歩いていると、賑やかな音がする。観光客の賑
やかさとはちょっと違う。ようみたら、お神楽というか獅子舞が町内を回って
はるのだ。ぴーひゃら、ぴーひゃらという笛の音が聞こえる。
懐かしいなあ。子どもの頃はよう見たもんだ。
今でもこうして回ってるのは要望があるからなんやろね。
わしらもやってもらおうかと言う気になった。
ご祝儀は幾らか気になるとこやけど、あくまでも気持ちというんで、年寄りは
小金で許して貰おう。
それでは、と来はった。
笛と獅子舞のお二人でやってはる。
何か楽しい。
踊りながら、祝詞をとなえてくれている。
最後は順番に頭を噛んでもらっておしまいだ。
噛むと言っても本気でがぶりとやるわけではない。獅子舞が大きく口をあけた
時に頭をつっこむのだ。
これで今年はいい年になるはずだ。
実は最近九度山で用が多いのは、月の内、半分位を九度山で過ごす事ができる
よう企みを進めているのだ。準備はちゃくちゃくと進んでいるけど思うように
行かない事も多い。
しかしこれでゲンがよくなったんで、これからはとんとん拍子にモノゴトが転
がりはじめるはずだ。
期待しよう。田舎暮らし。
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ありがとうございました。
