最近読んだ本、「美しき廃墟」、「西南シルクロードは密林に消える」

  • 2016年1月17日
  • 1人
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「美しき廃墟」、ジェス・ウォルター
美しき廃墟 ジェス・ウォルター
カリスマ映画ディレクター、マイケル・ディーンがいる。過去の栄光を背負っ
ているらしいが今は作品を出してる様子はない。しかし隠然とした力があるら
しく、絶える事の無い企画の売り込みには、このままこの仕事を続けるかどう
か悩み中の秘書のクレアが対応している。クレアの出来の悪いボーイフレンド、
ダリルもわけのわからん脚本を仕上げている。
そんなところへ突然、老イタリア人が現れる。バスクアーレ・トゥルシという
名前らしい。切実な用件でマイケル・ディーンに会いたいと言う。
その前に、時空はぐっと昔に飛ぶ。
エリザベス・ティラーとリチャード・バートンが「クレオパトラ」の撮影をし
ている頃だ。
ある日、イタリアの名も無い海辺の村に只一軒あるホテル、「適度な眺め」に
超美人が現れる。女優らしい。しかも「クレオパトラ」に出演してるらしい。
とても訳あり風だ。
体も悪くしてるらしい。ホテルのオーナー、バスクアーレは心配だ。実は彼女
に気がある。彼女は癌だと言われているが実は妊娠してるらしい。しかも、
相手は・・・・? ディレクター、マイケル・ディーンは何とかしないとと焦る。
それを知った彼女は・・・・?
ホテル、「適度な眺め」には、書けない作家が滞在してた。
傷心の彼女は? バスクアーレは? 作家は?
話はどんどん入り組んで、過去と現在も入り組んで、アメリカとイタリアとヨーロッパ
とあっちこっち入り組んで、とても面白くなる。
誰が親で誰が子どもか? 誰と誰が結婚したのか?
誰が金持ちで誰が貧乏か?
結局彼女はどうなったのか?
バスクアーレの恋はどうなったのか?
映画を見てるようでとても楽しい。

hon160114-1

「西南シルクロードは密林に消える」、高野秀行
最近この人の本に凝っている。アフリカやミャンマーの旅行譚を読んだのがき
っかけだ。とんでもない冒険をしながらも、いかにもふざけたええ加減な態度
であるかのように書きながらも、アジアやアフリカの普通の暮らしをよく観察
して愛情深く描写してるのに好感が持てるのだ。
今回は、「西南シルクロード」の旅だという。そんなものがあっても不思議や
ないと思うけど、実際にあったのかどうか聞いたこともない。
旅は四川省から始まる。

hon160114-2

四川省の省都である成都から昆明あたりまでは普通の中国の旅だ。

そこから瑞麗に入って様相はがらっと変わる。
このあたりからミャンマーに入っていかないと行けない。しかし、今とは状況
がかなり違う。いや今も変わらんのかもしれない。
案内人なしに公共交通機関でするっと行けるような所でもないし、そんな話で
もないのだ。この人特有の人脈を頼って、反政府ゲリラに案内を頼むことにし
たのだ。
なんととんでもない。
非合法状態で中国とミャンマーの国境を出たり入ったり、そして一旦は身柄を
拘束される。
いったいどうなるのだ?
有り金総てとパスポートを盗まれもした。いったいどうなるのだ?
そして、ミャンマーのジャングルの中を反政府軍の拠点を転々としながら、走る。
これが本当に「西南シルクロード」なのか?
最後にはインドに抜けないといけない。
しかし、パスポートはないし、ビザなんか勿論ない。
いったいどうなるのだ?
ミャンマーやインドの奥地の様子や反政府ゲリラの暮らしなどが生き生きと立
ち上がって、とても面白い。

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ありがとうございました。