「与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記」、澤田瞳子
奈良時代。都の外れでとてつもない大工事が始まった。見たことも聞いたこと
もないような巨大な大仏を鋳造しようというのだ。
下から順番に鋳物を流し込んで固めては、少しずつ積み上げていくという途方
ない計画だ。工事現場には巨大な足場が組まれ、全国から徴発されてきた百姓
たちが働かされている。
劣悪な環境だ。夜には小屋暮らし。飯は順番にそれぞれの持ち場の炊屋に並ぶ。
しかし、ある炊屋だけがえらい繁盛してる。あちこちから美味いと評判を聞き
つけて炊男・宮麻呂の飯を食いにくるのだ。
何故美味い?
ただ稗や粟や麦を炊いて、菜を刻み、汁をつけて食わせるだけではないのだ。
彼には工夫がある。野山をあるいて手に入る材料にちょっとした工夫を加える、
味噌や醤醢や塩などをわずかに加えて味を引き立てる。
それが旨味をつくり、食欲を増すのだ。
だれもが美味いもんを食いたい。そうすると力もでる。
なるほど、この男、ただ者ではない。
本当は何者なのだ?
工事現場では次々と不思議な事件が起こる。
工事をうまくやりとげたいものもいれば、そうしたくないものもおりそうだ。
遠く離れた田舎から連れてこられたものには不満が一杯たまっている。それを
利用して騒動をおこしたいものもいる。
そんなとき、この世の行き仏でもあるとあがめられる行基の病が重くなった。
最後に宮麻呂の飯を食いたいという。
この男は一体何者なのだ?
なかなか面白い。奈良時代の食い物に思いをはせるととても楽しい。
古代ミステリーと言えるんかな?
「ペンギン*ハイウェイ」、森見登美彦
アオヤマ君は小学校四年生だ。いろんな本をよんでいろんな事を知っている。
いろんな事を考える為に毎日ノートをとっている。
そして、歯科医院のお姉さんとよく話をする。お姉さんのおっぱいも気に入っ
たいるけど話をするのも大好きだ。僕はもう将来だれと結婚するか決めている。
そんあある日、不思議な事が起こった。ぼくらの街にペンギンが大量にあらわ
れたのだ。そして突然消えた。又現れて、消えた。
僕は考える。何故か。
ペンギンが現れたらお姉さんは元気がなくなる。
ノートには他にも考えなくてはいけない事、調べなくてはいけない事が一杯書
いてある。
そして、ある日、ウチダさんと秘密基地を発見した。
これは何なのだ。宇宙人の乗り物なのか?
お姉さんのペンギンと関係あるのか?
ペンギンどころではない、シロナガスクジラも現れた。
お姉さんはどうなるのか?
アオヤマ君はどうなるのか?
秘密基地とは何なのか?
そして大事件が?
いったいこの街はどうなるのだ?
アオヤマ君の青春物語はとても暖かくて優しくてちょっと哀しくてわくわくと
楽しい。
ほのぼのSFファンタジー
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ありがとうございました。