もうとっくに終わってしまったが、水曜の話の続きだ。この日は寒かったが、うぞうすいを
食べて元気がでた。わらじ屋に入る前に京都国立博物館の前を覗いていったが、かなりの列
であった。
「夜間開場の日やから遅くなったら空いてくるで」
ともくろんでいたらあんのじょう大分少なくなっている。それでも30分位はかかりそうだ。
もう少しぎりぎりまで待って入った方がよかったのだろう。
あんまり待ったら見る時間がなくなってしまうから難しいところだ。
「しまった」
並んでいて気がついた。いつもは少々行列があっても本を読んでいるから平気だが、今日は
かなり暗い。本が読めない。夜間開場を狙うのはいいが、こんな問題もあるのだ。
どうでもいいことを考えているうちに時間がきた。入場制限だから、1グループがひと固まり
になってどっと入る。だから結局画の前はいつも人が一杯だ。
こういう時には秘密兵器がある。「単眼鏡」だ。遠くからでも細部がしっかり見える。
しかし、用心しないと前の方の人の鼻や指先ばっかりみることになる。こういう時でも
あまりぎゅうぎゅう詰めでないかぎりは、待っていたら隙間ができるものだ。その時に
すかさず体を入れると、前に行ける。根気が大事だ。もし、狙った場所の近くにイヤホンを
着けた人がいたら要注意だ。それは画の解説を聞いているのだから、終わるまで動かない。
その時はその動かない人と動く人の間に隙間ができやすいからそこを狙えばいいのだ。
こういう時背の高い人は得だなあとつくづくおもう。潜水艦の潜望鏡みたいなやつで
後ろからぐいっと上まで視点をあげて、なおかつそこから自由に見下ろせるような望遠鏡が
あったらいいかもしれない。
そんなことはどうでもいいから先に進む。
やっぱり南画や文人画風の画が好きなのでそういうのが目につく。
「勉強になるなあ」
「留守中に勝手に上がり込んで描いてしまった画」というのがあった。
有名なやつだ。
画もすごいが襖も上等だ。
画く方もたいしたパフォーマンスだが、画かれた方も文句を言うたら、せこい奴やと
世間から馬鹿にされそうで、困ったやろな。
とうとう、「松林図屏風」に行きついた。
「この世ならぬ画」に行きついたら、あんな根っこが描けるか?
「この世ならぬ」とまでは行かないが、「ありそうで無い画、なさそうである画」
みたいなのを画いて行きたい。
長谷川等伯展に行った
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