大阪、天六、「くらしの今昔館」で「淀川舟遊」のセミナーを聞いた

ある日、地下鉄の駅を歩いていたら「淀川舟遊」と書いたポスターを見つけた。
若冲・応挙・蕪村も愛したとも書いてある。なんか絵を展示してるみたいだ。
面白そうと思い家に帰ってネットで検索してみたら、これに関するセミナーも
あるみたいだ。さっそく申し込んでみた。
えいらいもんだ。当日は開場前から沢山の人が来てはる。最終的には満員の盛
況になっていた。
セミナーの前半は摂南大学の岩間香先生。
展示の絵や江戸時代の淀川をとりまく文化について説明していただく。
やはり江戸時代は淀川が京都と大阪の交通のメインだ。絵の中に人びとの生活
が生き生きと現れている。
先日、突然発見されたと言う伊藤若冲の珍しい版木を拓本取りした「乗興舟」
と言う絵も展示されているらしい。岸辺の風景が若冲らしい独特の鋭い切り取
り方で、黒白反転のような妖しい絵を描いている。
中間色はどうやって出したんやろ。
その他いろんな淀川風景が絵になったり屏風になったりしている。当時の淀川
は今より遙かに市民の近くにあったというのがよくわかる。
後半は、文人画とは何かと言う話から始まる。
知ってるようではっきりとは知らなかった。
中国の科挙の時代。科挙という超難関の国家試験を受けて国家官僚になった人
たちは相当な教養人でもある。そういう人達が公務のかたわら、気分転換の遊
び心でこの世にあらざる風雅の世界を描いたのを言うらしい。
そやからプロであってはならない。
絵の巧拙よりは考え方と気品が大事になる。
などなど。
ということで厳密には日本には文人画を描く文人はいなかったけど、文人画の
境地にあこがれる人達がいて、その中心は大阪であったと言う。
日本中の富が大阪に集まっていた江戸時代にそれを動かしていた富裕で学識あ
る町人の中にそういう人達がいたのだそうだ。
てなことでセミナーが終わったあと、8階に上がって絵の展示会を見せて頂く。
エレベーターの中は外国人だらけ。わしらより外国人旅行社の方が情報を良う
知ってはる。太身加減で元気いっぱいな人達の後ろからこそこそと中に入る。
予想より沢山の展示があった。目当ての画家は若冲は勿論やけど、解説に出て
きた十時梅厓、岡田米山人、田能村竹田など。
先生は文人画は絵が下手なところが特長って言うてはったけど、気韻、気品を
表すには下手では出来へん。上手に見せない上手さちゅうのが大事と言う事や
なというのがよくわかる。
絵はとてもうまい。味がある。
所謂南画風である。
しかも描きすぎていない。余白がたっぷりある。
水墨画を学ぶものとしてはとても参考になる。
8月10日から展示替えもあるそうなんで又来んとあかんなあって思う。
安かったし(300円)とても充実したセミナーも聞くことができたんで十分満足
させていただいた。

kurasi150814

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