ヴィエト・タン・ウェン、「シンパサイザー 上、下」
前にラン・カオという人の「蓮と嵐」という本を読んでとても強い印象を受けた記憶がある。
ベトナム戦争の終わりの頃の話だ。南ベトナムが陥落した後何が起きたか?
そして大量に発生したボートピープルとはいかなる人たちだったのか?
戦争が終わった瞬間、必ずしもすべてのひとに平和が訪れたというわけではなかったと
言う話であった。
この本もベトナム戦争の末期からその後の話だ。
全ては今は囚われの身となった語り手の回想として綴られていく。
彼とボンとマイは親友同士であり義兄弟のち義理を結んだ仲良しだ。しかし、いつしか
彼は南ベトナム軍の中に居て北のスパイとなり、マイは更にそのスパイのえらいさんになって
活動している。
そしてとうとう陥落の日がやってきた。彼は将軍たちと一緒に米軍の救助機によって
アメリカを目指す。
そして、アメリカ暮らしが始まった。それぞれが自由の国だ。しかし、やはり仲間たちの
コミニティができていく。
将軍はもしかしたらベトナムで反撃する機会を狙っているのか?
彼には大学職員の愛人が居る。スパイとしてコミニティの中でうまくやっていけるのか?
命令は厳しい。
人が死んだ。
誰が殺した?
疑惑の中で彼はラオスに向かう。決起部隊がいるのか?
将軍の娘はどうなる?
反撃はどうなる?
意外な事実があるのか?
とても面白い。
異色の作品といえるのではなかろうか。
原田宗典、「やや黄色い熱をおびた旅人」
世界の紛争地帯を旅するという話に惹かれて読むことにした。
この人が原田マハの兄というのは全く知らなかった。原田マハの本は芸術家の人生を
語る本が多いんでよく読んでいる。又、この人が覚醒剤の不法所持で有罪になったという
話も全くしらなかった。そんなもろもろをぶっ飛ばすようなすごい本であったかどうか?
そうは言い難い気がするねえ。
確かに興味ある紛争地帯が沢山でてくる。
アフリカ北東部にエリトリアと言う国があったことすら知らなかった。
独立戦争が終わった後、首都アスマラで起きていることとは?
そして、ジュネーブの国連難民高等弁務官に会いに行く?
其後、ユーゴスラビア、ベオグラードのセルビア人難民収容所を訪ねる。
そこで見たものは? クロアチアとセルビアとは?
プノンペンから地雷除去のボランティアを訪ねる。彼らの暮らしとは?
タイ北端にメラーキャンプというビルマのカレン族難民キャンプがある。
そこで見たものは?
タイのウドンタニ、ノンカイの近くで元日本人傭兵が居る。アフガニスタンで戦っていたらしい。
彼の言葉とは?
ビルマからの独立戦争を戦ったカレン族、ボスニア・ヘルツェゴヴィナでのクロアチア傭兵の戦い。
いろいろとても興味深い話題が出てきてる。
しかし、何故か中途半端な感じがする。読んでて消化不良になる。
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ありがとうございました。